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2016年03月21日 月曜日
歯周病が進むと歯並びが悪くなる
歯の移動は、健全な歯周組織で支えられている歯においては、
矯正治療で行われているように弱い矯正力を長時間加えることによって
生じます。
歯周病の方の歯の移動は、
生理的な位置を保っている歯のバランスが歯周病により
破壊されることによって生じる「病的な歯の移動」です。
このような思わしくない歯の移動の原因は、
1. 歯周組織の支持力の低下、喪失
歯周病による炎症や咬合性外傷があると歯を支えている歯槽骨が吸収し、
歯周組織本来の支持機能を発揮できなくなります。
2. 歯に加わる異常な力
歯ぎしり、異常嚥下癖、舌や口唇の習癖などが絶えず加わると、
歯の移動を生じることがあります。
症状
前歯の離開、前突感、挺出
奥歯の歯間離開など
歯の喪失による傾斜、歯間離開、挺出、捻転 -
2016年03月14日 月曜日
歯周組織の破壊はどのようにして進むのでしょうか
歯周炎で歯周ポケットが形成され、歯槽骨をはじめとする歯を支持する組織が
だんだん失われていく過程を説明します。
歯周ポケットの形成
上皮層の破壊と、より根尖側での上皮の再増殖が起こり、
ポケットが形成されます。
ポケットの形成は、付着上皮細胞間隙の拡大、細胞同士の機械的結合の
喪失によって始まり、亀裂が深部に進行するに伴ってポケットはより深くなっていきます。
歯槽骨の吸収
リンパ球や形質細胞の浸潤が拡大すると、これらの細胞のための空隙が必要になり、
歯槽骨が吸収されます。
骨が吸収されたスペースには、血管が新生され、リンパ球や形質細胞で満たされた
肉芽組織が形成されます。
さらなる歯周組織の破壊
この肉芽内に存在する細胞が、組織や骨をさらに分解するマトリックスメタロプロティナーゼ、
タンパク分解酵素やサイトカインを生産します。
微生物は宿主に有害な物質を生産し続け、宿主はこれらの産物に対する
果てしない免疫応答を続けます。
ポケットは深くなり、肉芽組織は拡大し、骨や歯根膜は失われ、
最終的には歯の支持組織が破壊されて、歯は脱落します。 -
2016年03月08日 火曜日
口腔内写真による診査
口腔内写真は、初診の診査や、歯周病の再評価など様々な時に
視覚的な状態の変化を記録し、以前の状態との比較を行い
病状の改善、悪化を見るのに適しています。
写真検査の特徴
歯周病の診査では、ポケットの深さ、プロービングの出血、アタッチメントレベル
といった数値で評価できる診査と、
歯肉の形態、歯根の露出の状態、歯肉の色といった評価できないものがあります。
後者の項目についての記録には、写真で記録するのが適しています。
メリット
患者様への説明や動機づけに使うことが出来ます。
直接鏡で見ることが出来ない部位、プラーク付着の状況などを視覚に訴えることが出来ます。
さらに口腔内清掃や歯周病治療により口腔内の状況がどのように変化してきたかを
段階的に振り返ることが出来ます。
方法
口腔内写真撮影用のカメラは、マクロ撮影用で、リングストロボや左右にストロボを備えたものです。
専用に反射ミラーで内側や側面を撮影します。
正面、右側方、左側方、上の咬合面、下の咬合面の5枚を基本として、
斜め下方からの咬み合わせ、側面からの咬み合わせ、チェックしておきたい部位を
写します。
後々の比較のため、一定の方向から写すようにします。 -
2016年03月01日 火曜日
歯肉炎や歯周炎の場合の歯肉の状態
歯肉炎や歯周炎は、歯肉に何らかの炎症症状が現れます。
健康な場合と病的な場合とでどのような違いがあるかを区別しましょう。
歯肉の変化
1. 色の変化
健康な歯肉はピンク色だが、炎症により赤色を増し、さらに
慢性化すると暗赤色から赤紫色になります。
初期には歯間乳頭部や辺縁歯肉部に色の変化が生じ、これが付着歯肉へと波及していきます。
健康な歯肉でも褐色から黒色のメラニン色素が歯肉に沈着することがありますが、
喫煙者ではこの量と範囲が広がる傾向があります。
2. 形や硬さの変化
健康な歯肉は引き締まって硬いが、炎症が生じると腫脹し軟かくなります。
歯周炎が進行すると歯槽骨が吸収され、それに伴い歯肉が退縮して痩せます。
3. スティップリングの消失
健康な歯肉では、ミカンの表面のような細かいデコボコの
スティップリングという構造が見られます。
炎症が波及すると消失することが多く見受けられます。
4. 出血、排膿
正常な場合は歯肉から出血することはありませんが、
炎症があるとブラッシングやプロービング時に軽い刺激でも出血するようになります。
排膿は炎症が活動性の場合に見られます。 -
2016年02月22日 月曜日
歯周病菌の検査方法
プライマーと耐熱性歯周病の初発原因である歯周病菌を検査する方法には、
様々な方法があります。
1. 顕微鏡
位相差顕微鏡、暗視やなどを使用して細菌の形態や運動性を調べます。
活動性(進行性)ポケットには、運動性桿菌やスピロヘータが多い。
非活動性ポケットには、球菌や非運動性桿菌が多い。
2. 細菌培養法
古くから行われている方法で、基本的検査法(ゴールドスタンダード)です。
コロニーの形態と代謝により分類でき、抗生物質に対する耐性を判定できる。
3. 免疫学的検査法(特異抗体法)
抗原抗体反応を利用する方法で、蛍光抗体法、酸素免疫測定法(ELA)等があり、
検査目標とする菌に特異的に存在する抗原を特異的抗体を用いて検出する。
4. 遺伝子を用いる方法
a) DNAプローブ法
検査目標菌に特異的に存在するDNAを、相同性があるある種特異性(放射性活性)物質で
標識DNAとの結合により検出する。
b)特異的DNA増幅法(PCR法)
検査細菌の遺伝子の特定の部分を特異的な伸長用プライマーと
耐熱性のDNAポリメラーゼ(合成酵素)により数十万倍に増幅させ、
それを検出する方法です。
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