-
2011年08月22日 月曜日
歯肉炎
歯肉炎とは、プラークなどが原因で、歯肉に炎症が起こる症状で歯周病の中で初期の段階のものです。
歯肉に炎症が起きて赤くは腫れたり、出血したりしますが、まだ歯槽骨までは影響が及んでいません。特に痛みがないため気づかれないことが多いようです。また、歯肉炎が起こると同時に歯と歯肉の間にある溝(歯周ポケット)が深くなります。歯周ポケットが深くなると空気が少なくなるため、毒性の強い細菌が繁殖するため、炎症が広がり進行していきます。
この状態を放置して、歯槽骨まで影響が及ぶ「歯周炎」になると元に戻りません。
まだ歯肉炎なら、歯垢や歯石の除去とプラークコントロールなどで回復する事が出来ます。適切な治療と正しいブラッシングを行いましょう。歯肉炎の種類
1. 単純性歯肉炎
2. 複雑性歯肉炎
3. 妊娠性歯肉炎
4. 急性壊死性潰瘍性歯肉炎
5. 慢性剥離性歯肉炎 -
2011年08月19日 金曜日
歯周病菌
歯周病菌などが原因で歯周病は引き起こされます。他の感染症のように1種類の細菌が悪さをして病気を引きおこすのではなく、歯周病の発症には複数の細菌が関与しています。
お口の中には300~500種類の細菌が住みついています。その中で歯周病を起こすような細菌は10種類以上見つかっています。
歯周病は、嫌気性菌(酸素の無いところを好む)が発生の原因で、症状の進行に強く関与していると言われています。Pg菌 Porphyromonas gingivalis (P.ジンジバリス)
強い悪臭を放つ歯周病菌です。名前は、歯肉(gingiva)に由来します。歯肉を構成するコラーゲン組織を分解したり、白血球がもつ細菌を食べる作用(貪食作用)や殺菌作用を弱める酵素をもちます。さらに免疫担当細胞のコミュニケーションのために働くサイトカインを分解することによる免疫撹乱作用があります。また、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)をもちます。Td菌 Treponema denticola (T.デェンティコラ)
歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が深くなると爆発的に増殖し、歯が全くなくなるまで住み着く歯周病菌です。歯周病が進行すると歯肉の中に入り込み、歯周病の症状を急激に悪化させます。タンパク分解酵素により組織を障害すると考えられています。Tf菌 Tannerella forsythensis (T.フォーサイセンシス)
名前はアメリカ・フォーサイス歯学研究所(Forsyth Dental Center)のターナー(Tanner)という研究者が報告したことに由来します。歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)に生息します。Aa菌 Aggregatibacter actinomycetemcomitans (A.アクチノマイセテムコミタンス)
この菌は、数的には非常に少ないタイプです。進行性の歯周病によくみられる歯周病菌です。歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)を持っています。Pi菌 Prevotella intermedia (P.インターメディア)
一般的で誰もがもっている菌です。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンによって発育する歯周病菌です。女性ホルモンの分泌が活発な思春期や妊娠時には爆発的に増殖することがあります。歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)をもちます。P.g.菌、T.f.菌、Td.菌は歯周病が進行している人々のほぼ60~70%から発見される菌です。これらはよく同時に見つかることが多いです。
-
2011年08月18日 木曜日
スケーリング
スケーリングとは、歯についた歯石を除去すること です。
歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。歯石自体は直接、歯周病の原因にはなりませんが、歯石は凸凹しているのでそこにプラークが付着しやすいのです。早めに除去しなければ、歯周病菌が増殖してしまい、歯周病の症状が進行してしまいます。
スケーリングを行い、歯磨きで取り除けなかったプラークやブラシで落とせない歯石を取り、ルートプレーニングという操作で根面を滑沢にして再びプラークや歯石が付かないようにします。
一般に、歯肉の上に見える歯肉縁上歯石は比較的楽に落とせますが、歯肉の中に隠れた歯肉縁下歯石は除去するのには熟練を要します。固くてなかなか落とせない歯肉縁下歯石は、深いポケットになると除去がますます困難になります。早めにスケーリングを行い、歯周病予防をすることが大切です。歯石を取るための道具は、スケーラーと呼ばれ、ハンド(手用)スケーラー、超音波スケーラー、エアースケーラーなどがあります。
1) ハンドスケーラーは、ユニバーサルキュレット、仕上げ用のグレーシーキュレットが良く使われます。2) 超音波スケーラーは、先端のチップの形状により、縁上用、縁下用、根分岐部用、メインテナンス用などの種類があります。
3) エアースケーラーは、超音波に比べ力がソフトです。各種ブラシを取り付け歯間部のプラーク除去にも使えます。
-
2011年08月16日 火曜日
咬合性外傷
咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)とは、過度な噛み合わせの力によって、歯周 組織に損傷が起きることをいいます。
1. 一次性咬合性外傷
歯周組織が健全な歯に、歯ぎしり(ブラキシズム)、くいしばりなどによる強い力が加わって起こる外傷のことです。
過度の力が加わることにより、咬合痛が出てきたり、 周囲の歯槽骨が溶かされたり、歯の咬耗、くさび状欠損が出来ます。
まず、歯の動揺、歯根膜腔の拡大、白線(歯槽硬線)の消失などが起こり、進行すると、垂直性の骨吸収、歯根の吸収(セメント質の吸収)、歯の咬耗・歯の痛み(歯髄炎様疼痛)などが起きます。2. 二次性咬合性外傷
歯周病にかかって歯の支えが弱くなった歯に「正常な噛む力」が加わって起こる外傷のことです。
二次性咬合性外傷が起こると、歯周病を悪化させ、進行が早まってし まいます。
分かり易く言うと、
炎症(歯周病)+力(咬合性外傷)=歯周組織の破壊(歯周病悪化)
になります。【咬合性外傷の対策】
1. 噛み合わせの調整(咬合調整)
2. 歯並びが悪い場合は矯正治療
3. 歯周病の治療
4. 連結冠による治療 -
2011年08月15日 月曜日
歯周組織
歯周組織とは、歯の周りにある「歯肉」、「歯根膜」、「セメント質」、「歯槽骨」の4つの組織のことを指します。
1. 歯肉は歯の周りを取り巻く組織で、歯の間の乳頭歯肉、周りの辺縁歯肉とその下側歯根よりの付着歯肉からなります。健康な場合、引き締まったピンク色をしています。
2.. 歯根膜は、歯根表面のむのセメント質と、歯槽骨をつなぐ線維です。歯根膜線維とも呼ばれいます。噛みごたえを感じるセンサーの役割を果たしています。
3. セメント質は、歯根の外層にあり、象牙質を覆っています。年とともに肥厚してきます。無細胞セメント質は歯根象牙質全面を覆っており、有細胞セメント質は根尖側1/3に存在します。細胞が存在する為、一度吸収されたのちでも再生します。
4. 歯槽骨は、歯の周りを取り囲んでいる骨の事です。骨は形成と吸収のバランス(ホメオスターシス)により維持され代謝していますが、抜歯、歯周病などでそれが崩れます。矯正治療では、これをうまく利用して歯の移動をします。歯周病は、この歯周組織を破壊していく病気のことで、歯周組織が破壊されることによって歯を支えきれなくなり、物が噛めなくなり、やがて歯が抜けてしまうこともある病気です。
用語集
カテゴリ一覧
カレンダー
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最近のブログ記事
月別アーカイブ
-
2024年 (26)
-
2023年 (52)
-
2022年 (52)
-
2021年 (52)
-
2020年 (52)
-
2019年 (52)
-
2018年 (53)
-
2017年 (51)
-
2016年 (52)
-
2015年 (50)
-
2014年 (52)
-
2013年 (52)
-
2012年 (57)
-
2011年 (49)