歯周炎で歯周ポケットが形成され、歯槽骨をはじめとする歯を支持する組織が
だんだん失われていく過程を説明します。
歯周ポケットの形成
上皮層の破壊と、より根尖側での上皮の再増殖が起こり、
ポケットが形成されます。
ポケットの形成は、付着上皮細胞間隙の拡大、細胞同士の機械的結合の
喪失によって始まり、亀裂が深部に進行するに伴ってポケットはより深くなっていきます。
歯槽骨の吸収
リンパ球や形質細胞の浸潤が拡大すると、これらの細胞のための空隙が必要になり、
歯槽骨が吸収されます。
骨が吸収されたスペースには、血管が新生され、リンパ球や形質細胞で満たされた
肉芽組織が形成されます。
さらなる歯周組織の破壊
この肉芽内に存在する細胞が、組織や骨をさらに分解するマトリックスメタロプロティナーゼ、
タンパク分解酵素やサイトカインを生産します。
微生物は宿主に有害な物質を生産し続け、宿主はこれらの産物に対する
果てしない免疫応答を続けます。
ポケットは深くなり、肉芽組織は拡大し、骨や歯根膜は失われ、
最終的には歯の支持組織が破壊されて、歯は脱落します。