ポケットの深さは従来は、歯周炎の進行度を表す指標の一つとして
用いられてきました。
しかし、厳密な意味でポケットの深さは、疾患の程度、治療の改善度を
正しく表さないことが明らかとなり、現在ではアタッチメントレベルが
用いられています。

同じポケット4mmの深さでも、
a. 歯肉が増殖してセメントエナメルジャンクションまで2mm、さらに下に2mmの場合
b. セメントエナメルジャンクションより下に4mmの深さのポケットがある場合
c. 歯根が露出してセメントエナメルジャンクションよりかなり下に歯肉縁があり、
さらに下に4mmの深さのポケットがある場合
a,b,c,それぞれ同じ4mmの深さのポケットでも、歯周組織の破壊の程度を比較した場合、
a,b,c,の順に、つまりcが一番疾患が進行しています。
このようにポケットの深さだけで疾患の程度を表すのは無理です。
ポケットの深さは、常に一定の基準点から測定しているわけではなく、
歯肉縁という移動する点を基準点としているからです。