2011年08月25日 木曜日
歯磨きを一生懸命やっているのに歯周病が治らない?
ブラッシングを一生懸命やれば、歯周病が治ると思っていませんか?
歯科医院で、歯石を取ってもらえば、治療完了と思っていませんか?
この考えには、ちょっと無理があります。
【ブラッシングだけで歯周病は治らない】
歯周病のごく初期の段階では、歯磨きだけでかなり効果があります。しかし歯ブラシの毛先はポケットの深さ2ミリまでしか到達しないことが実験の結果わかりました。歯周病が進行してポケットが深くなるとブラシが到達せず、磨き切れていない部分が出来ます。
2ミリ以上の深さになると、歯周病専用の器具(スケーラー)を使ってポケット内を掃除して、消毒しなければ細菌を除去できません。
さらに、4ミリを超えてしまった場合は、メスにより歯肉を切開して、健康な歯肉の状態に近づける手術が必要です。
【歯石除去(スケーリング)だけで歯周病は治らない】
歯石を除去しても、プラークが再び付いてしまえば、歯周病は予防できません。
プラーク中の歯周病菌は、嫌気状態(空気に触れない状態)を好むため、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットと呼ばれる溝の中や、歯並びが悪い歯の間、そしてかぶせ物の隙間などで繁殖します。歯石除去した後は、プラークが再び付かないようにブラッシングをしましょう。
歯石は歯の表面に唾液中のカルシウム成分や血液成分が石のようになって硬く付着したもので、歯石自体は細菌ではありません。しかし、歯石の表面は、凸凹して細菌プラークが付きやすくなります。歯石除去(スケーリング)は、歯の表面を滑らかにして、プラークを着きにくくするために行うのです。
また、進行した重症の歯周病では、歯の周りの組織が破壊され、原因のプラークがなくなっても元の状態に戻らなくなります。
早めの予防と、毎日の歯磨きが大事です。