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2015年05月25日 月曜日
キュレット型スケーラーによるスケーリング・ルートプレーニング
歯肉縁下の歯石を取り除くのには、キュレット型スケーラーを主体として、
超音波やエアースケーラーを補助として用います。
歯石と汚染セメント質を取り除き根面を滑沢にして仕上げます。
SRPの方法
1. 刃を根面に約90°に接触させ、モーションを小さく、プルストロークします。
ポケット底部で刃が根面に80~90°に接するように向きを変えます。
支持点を安定させ、その角度でしっかりと力を入れてプルストロークし、
歯石と汚染セメント質を除去します。
2. 刃と根面の接触状態を指先で感知しながら操作します。
根面を直視できない場合、刃が根面に接触する状態を指先で感知し、
歯石や軟化したセメント質の存在を探りながら操作します。
3. 隣接面は頬側と舌側、頬・舌側は近心と遠心の両方から操作し、
ポケット全体を処理します。 -
2015年05月18日 月曜日
免疫反応による歯周組織破壊
歯周病における歯周組織の破壊は、免疫反応が関与しています。
免疫反応は生体の重要な防御機構の一つですが、
同時に生体にとって有害な反応にもなります。
免疫反応は免疫系細胞の働きによるものであり、
外来異物と認識したものに対し特異的な機能を持ち、
その異物を中和したり破壊したりします。
これらの異物は抗原と呼ばれ、宿主自身のものと異なるタンパクあるいは多糖類で、
細菌の構成成分、ウイルス、細菌産生物、外来(移植)の組織や赤血球などです。
歯周病において生じる免疫反応は、プラーク中の細菌由来物質が、抗原となり
生じます。 -
2015年05月11日 月曜日
ストレスと歯周病
1936年Selye が非特異的症候群(副腎肥大、リンパ腺萎縮、胃・十二指腸潰瘍など)を
引き起こす外部刺激を「ストレッサー」、それによって生じる生体反応を
「ストレス」と定義して広く用いられるようになりました。
ストレスが歯周病のリスクファクターとなる原因
1. ブラキシズムが増加し咬合性外傷が生じ、歯周病が進行・悪化する。
2. 脳下垂体から副腎皮質ホルモンが分泌され、免疫力が低下する。
3. 自律神経に働き、交感神経の亢進による血液循環の悪化や唾液量の減少が生じる。
4. 糖尿病など歯周病を悪化させる全身疾患が悪化し、歯周病も悪化する。
一方、歯周病は、その症状(歯肉の腫れ、疼痛、出血、口腔内の不快感、
歯の動揺、咀嚼障害など)によりストレスの原因となります。 -
2015年05月06日 水曜日
プロービングとポケットデプス
歯周ポケットの深さは、歯周病の診断において重要な役割があります。
しかし、炎症の存在によりこの数値の測定にバラつきが出てくることも事実です。
歯肉に炎症が強い場合、特に急性炎症時には、実際のポケット底部より
数mmも深く測定される傾向があります。
ポケットを測定するためにプローブをポケット内に挿入すると、
通常プローブはポケット底部に止まらずに、ポケットを形成する上皮を貫き
結合組織中に達していることが多く見受けられます。
特に、歯肉に炎症があるとこの傾向が強く現れます。
すなわちポケットに面する上皮やその下の結合組織に炎症があると、
上皮細胞の細胞間結合が弱く(時には潰瘍状態で上皮が断裂している)、
プローブは上皮を貫きます。
さらに結合組織も炎症性細胞(リンパ球やプラズマ細胞)が増加し歯肉線維が減少していると、
プローブはさらに結合組織に深く入ってしまいます。
しかし、炎症が軽い場合には、その深さは0.3mm程度の誤差であります。
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