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2012年10月29日 月曜日
抜歯しか方法はないの?
■ 質問
歯周病が進んでいて「抜歯しかない。」と言われました。今までに、何度か歯ぐきが腫れました。下の奥歯の根分岐部に病巣があるようです。
■ 答え
歯周病が原因で何度も歯肉の腫れを繰り返している場合、歯を支えている歯槽骨が溶かされて、そこに病巣を作っている場合がります。
「根分岐部病巣」と言います。奥歯で複数の歯根がある場合、その根の間に病巣を作ることがあります。歯ブラシが届かず、歯科医院のスケーラーという器具でもうまく清掃できない場合が多いので、一般に難治性で予後が悪いと言われています。
歯槽骨の残存度合などの程度により治療方法が変わります。
1. 歯根の間の骨が貫通していない場合
エムドゲインやGTR法による歯周再生治療、骨移植、ファーケーションプラスティー(歯冠~歯肉の移行形態を修正して清掃しやすいようにする)など。歯周外科によるフラップオペレーション(歯肉剥離掻爬術)が必要となります。歯肉を開いて歯石を取り、病巣を除去してきれいにします。
2. 歯根の間の骨が向こう側まで貫通している場合
歯根分割をして歯を2つにわけ、根分岐部にできた病巣をなくします。分割した歯根は間を広げてからつないでかぶせます。
トンネリング法といって歯の間をわざと広げて歯間ブラシが通りやすく清掃しやすい形態にします。
3. さらに歯槽骨が溶かされ、歯が上下に動く場合
歯が上下に動く場合は、歯根の先端まで骨が溶けて支えることができなくなった状態です。残念ながら抜歯です。 -
2012年10月22日 月曜日
歯周外科で行うフラップ手術とは?
フラップ手術Flap operationとは、歯肉剥離掻爬術のことで歯周外科の一つす。
中等度から重度の歯周病に対して外科的にする治療法です。
目的
歯周ポケットをなくし、日常のブラッシングで清掃しやすい環境を作るために行います。
1. 歯周ポケットを除去したり浅くする。
2. 歯周ポケットを形成していた歯肉を、ポケット内に露出していた歯根に再び付着させる。(新付着)
3. 歯槽骨を再生させる。(垂直性骨吸収部の再生など)
4. 歯槽骨の形態修整をする。(骨整形)
5. 歯根膜、セメント質を再生させる。(新付着の獲得)
6. 歯の周囲の硬い歯肉の獲得をする。(付着歯肉の幅の増大)
方法
診査診断により、基本治療を行っても症状が改善されない場合にフラップ手術をします。
1. 麻酔をします。
2. 歯肉を開きます。骨膜まで開く部分と歯肉部のみの部分に分かれます。
3. 露出させた歯根面の清掃(スケーリング・ルートプレーニング)をします。今まで歯肉に隠れていた汚染部分を目視してきれいにします。
4. 不良な病的な歯肉(不良肉芽)を取り除きます。
5. 必要に応じて骨整形をします。
6. 歯肉の形を整えて縫合します。
7. 必要に応じて歯肉パック(包帯に相当するもの)をします。 -
2012年10月15日 月曜日
食べ物が歯にはさまる
歯の間に食べ物がはさまる事を食片圧入と言います。
■ 食片圧入による歯周組織の破壊
食事の時、食べ物が歯にはさまり、隣接歯との接触点から歯間乳頭部へ咬み込まれると、歯肉に傷がつくとともに圧迫力が歯根膜や歯槽骨に加わり、咬合性外傷が生じます。
さらに残留する食物残渣にプラークがたまり細菌が増殖します。歯周組織を高度に破壊する悪循環となります。
■ 治療方法
1. すぐに歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスなどで食物残渣を除去します。
歯肉を傷つけたり、さらに歯肉を押し付けないように注意して食べかすや線維性のの食片を取り除きます。
2. 歯科医院での治療を受けます。
・ 歯肉の炎症に対する処置・・・歯肉の消毒、投薬など
・ 噛み合わせの調整・・・間に噛みこむ歯の山と谷の調整
・ 開いてしまった歯間部の治療・・・連結冠、連結の詰め物など
・ 溶けてしまった歯槽骨の治療・・・歯周外科、歯周再生療法など -
2012年10月08日 月曜日
歯周病と骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨密度の低下により骨が疎な状態となり、骨がもろくなっている状態を言います。骨成分、骨量の減少により骨髄など骨の中の空隙が増加します。高齢者や閉経後の女性に多く、骨折しやすくなります。
骨密度は、カルシウム摂取量の減少、カルシウム吸収率の低下により血液中のカルシウム量が低下すると、破骨細胞が活性化して骨を破壊し、血中のカルシウムを補う骨により低下します。
■ 歯周病との関係
1. 骨粗鬆症の方は、歯槽骨吸収が有意に高いという報告があります。
2. 骨粗鬆症は、抜歯後の顎堤吸収のリスクファクターです。
従って、歯周病のリスクを高める可能性があると考えられます。
■ 骨粗鬆症の予防法
1. 運動をする。
適度な運動により骨に負荷をかけると骨にマイナス電位が発生してカルシウムが吸収して骨が増加します。
2. 食事で吸収性の良いカルシウムを摂る。
3. ビタミンDをとる。 -
2012年10月01日 月曜日
口の中がネバネバする
■ 質問
口の中のネバネバが気になっています。寝起きやのどが渇いているときは、特に感じられます。
■ 答え
歯周病、磨き残し、ストレス、ドライマウス、加齢などの原因が考えられます。その原因に応じた対応策を取りましょう。
A 歯周病
歯周病になると、歯の間や歯周ポケットなどにプラークや歯石がたまり、歯肉に炎症が起きます。急性炎症で腫れていない限り、自覚症状は乏しいので、慢性的に内部で炎症が起きていても、ほとんど気が付かないことが多いのです。歯周病菌から作られる毒素や浸出液、出血、膿、上皮の剥離細胞などが「ネバネバ感」となります。歯周病治療が必要です。
B. 磨き残し
特に夜、歯を磨かなかったり、磨き残しがあると、朝ネバネバ感が気になります。歯の間、歯の付け根、噛み合わせの溝のところは、汚れがたまりやすいので丁寧に磨きましょう。
C. ストレス
ストレスを感じたり溜めてしまうと、胃腸障害になったり、自律神経に影響が出て唾液の分泌量が減ってしまいます。ネバネバ感だけでなく、口臭の原因にもなります。ストレスや緊張している状況では、交感神経の方が優位となるので、唾液の分泌が抑制されます。慣れない人が、他人の前でスピーチをすると、緊張(ストレス)して口の中がカラカラに渇くのはそのためですね。
D. ドライマウス
ドライマウスは、唾液の分泌量が減り、お口が渇くことです。原因は、口で呼吸をしたり、加齢や精神的な緊張などによるストレスや、糖尿病・腎臓病などの病気、薬の副作用などがあります。ドライマウスの原因と考えられる薬は、風邪薬、抗ヒスタミン剤、血圧降下剤、抗うつ剤など薬剤などが挙げられます。
E. 加齢
加齢により唾液腺という組織が萎縮し、唾液の出る量が減ります。また、筋肉の衰えにより噛む回数の減少、機能の減少など、生活習慣によるものが加わります。唾液の量が減少すると口の中が不潔になり、ネバネバ感が出ます。
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