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2013年12月31日 火曜日
急性歯肉膿瘍、急性歯周膿瘍
歯周病が原因で、急に歯肉がブクッと腫れて炎症を起こすものを「急性歯肉膿瘍」、「急性歯周膿瘍」または、「歯周炎の急性発作」と言います。
症状
歯肉が化膿し、赤くなって腫れて、腫れた部分を指で触るとブヨブヨ感があります。
痛みがあり、出血したり、膿(うみ)が出てくることもあります。
原因
慢性歯肉炎または辺縁性歯周炎になっており、ポケット内細菌がポケット上皮の損傷したところから侵入し、組織の防御機構を破って増殖して生じます。
そして、細菌感染によって化膿性の炎症を起こし、歯肉に発赤、腫脹、自発痛、圧痛を起こしてきます。
歯肉が腫れてきた部分は、膿瘍と言って炎症によって生じた白血球、リンパ球、マクロファージなどの細菌と戦った物質が膿となり、毛細血管や肉芽といったものが見られます。
発症しやすいのは
1. 深いポケット、特に骨縁下ポケットや根分岐部病変のある歯へ咬合性外傷が加わったり、ポケット内へ食べ物や異物が入り込んだ場合
2. 風邪や糖尿病などによって生体の防御機構が低下した場合
3. 歯根が破折している場合
治療
1. 抗菌薬を投与をする。「経口投与」と「歯周ポケット内投与」があります。
2. 膿瘍を切開して膿を出す。
急性炎症が治まったら、歯周基本治療のスケーリング・ルートプレーニングやプラークコントロールをはじめとする一連の治療を行います。 -
2013年12月23日 月曜日
歯周基本治療とは
歯周基本治療とは、原因の除去を主体として、歯周病の進行を食い止め、さらに改善をさせる治療の事です。
まず最初に、お口の中から歯周病の最大の原因であるプラークを取り除き、清潔な口腔にすることです。
すなわち、口腔清掃状態の改善を第一の目的にしています。
歯周基本治療には、口腔清掃の他に、プラークを付着しやすくしたり、除去しにくくする因子(プラーク増加因子)を取り除く処置として、スケーリング・ルートプレーニング、不良補綴物の除去や改善などが含まれます。
歯周基本処置の内容
1. ブラッシングなどの口腔清掃
2. スケーリング・ルートプレーニング
3. 強い咬合性外傷を引き起こす早期接触部を削合する咬合調整
4. 疼痛を訴える部位の応急処置
5. 知覚過敏の処置
6. 欠損歯牙多く咀嚼できない場合には義歯の作成
7. 強い動揺歯の暫間固定
8. 保存不可能な歯の抜歯 -
2013年12月16日 月曜日
歯周病による歯槽骨吸収
歯周病が進行していくと歯の周囲の歯槽骨が溶けていきます。
歯槽骨の破壊が始まると骨頂部の歯槽硬線(白線)が消失して骨頂が不明瞭になります。
さらに破壊が進むと、根尖方向に向かって骨頂が吸収され定期ます。
歯槽骨の吸収の型と分類
歯槽骨吸収は、骨吸収の状態により水平性と垂直性の2つのパターンに分けられます。
1. 水平性骨吸収
歯槽骨頂部がほぼ均等に水平に吸収されたものです。
通常、プラークによる炎症がほぼ均等に深部に波及し、水平性吸収が生じます。
2. 垂直性骨吸収
骨吸収が特定の部位に限局して進行し、骨が垂直に吸収したものです。
炎症の他に咬合性外傷や食片圧入が関与している場合が多く見受けられます。
Glickmanの分類は骨の壁面の数により、1壁性から4壁性に分類されます。 -
2013年12月09日 月曜日
歯周病と噛みあわせ
歯周組織と噛み合わせとは、密接な関係があります。
もし、噛み合う相手の歯を失い、咬合しなくなれば、歯周組織は退化(歯根膜線維が減少して配列が乱れる)していきます。
逆に、噛み合う力が異常に強ければ(早期接触や歯ぎしり)、歯周組織に咬合性外傷を引き起こし、歯周炎と合併すればこれを進行させてしまいます。
外傷性咬合は、
早期接触、側方圧、ブラキシズム(歯ぎしり)、舌の悪習癖などの病変を引き起こす原因です。
咬合性外傷は、
歯根膜の変性・壊死、歯槽骨の吸収など引き起こされた病変の事です。ただし、歯肉には病変は生じません。
外傷性咬合が加わると歯根膜は硬組織の歯根と歯槽骨の間で圧迫され血流が悪化停止するため、歯根膜の変性・壊死を起こし、牽引側では歯根膜線維の切断が起こります。
咬合性外傷の症状
1. 歯の動揺の増加
2. 歯の病的移動
3, 歯根膜の拡大、狭小、歯槽硬線の喪失
4. 歯槽骨の垂直性吸収、骨縁下ポケットの形成
5. 根分岐部病変の進行
6. 知覚過敏症や咀嚼痛など -
2013年12月02日 月曜日
プラークコントロールは歯周病予防、治療に大事
口腔の清掃は、歯周病の最大の原因であるプラークを取り除くということです。
従いまして、適切な口腔清掃法を身に着けることは、歯周病治療において最も大切です。
口腔清掃指導の目的
1. 口腔の健康を獲得し、維持していくことの重要性を理解して頂く。(モチベーション)
2. 口腔清掃の仕方、適切な磨き方のテクニックを身に着ける。(技術指導)
3. 日常生活で、ブラッシングを確実に実行してそれを続ける。
プラークコントロールとは
プラーク(歯垢)の完全除去は困難ですが、歯周病が生じない程度にプラーク付着をできるだけ抑えていくことが大切です。
このようなコントロールを、プラークコントロールと言います。
モチベーションの大切さ
他人でなく、自分にとって大事なのが口腔清掃です。
美して歯、健康な歯を得るのに大切なのがブラッシングです。
口臭減少、食べ物が良く噛めるなどの利点もあるといった動機づけを持つことが、第一歩です。
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