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2013年02月25日 月曜日
ルートプレーニングとは
歯周病の治療では、歯石を取り除いた(スケーリング)後、歯根面を滑沢(ルートプレーニング)にします。
ルートプレーニングの目的は、ポケット内に露出した根面の汚染セメント質を除去し、歯周組織に対し生物学的に為害性のない根面にすることです。
セメント質の変化
正常なセメント質は、歯肉や歯根膜から栄養の供給を受けています。しかし、ひとたびポケットが形成されれば、栄養が供給されなくなり壊死します。
セメント質の表面にはプラークが付着し、細菌はセメント質表層の凹部、裂溝、シャーピー線維の残存部などへ侵入していきます。
セメント質の中へ侵入した細菌は、石灰化して歯石となり、セメント質との境界は不明瞭になります。
すなわち、歯石はセメント質の中に入り込んでいます。
スケーリング&ルートプレーニングの目的
このため単にスケーリングで根表面の歯石を取り除いても、歯石の一部はセメント質内に残留する危険性が高くなります。
また、露出セメント質中にグラム陰性菌由来の内毒素(エンドトキシン)が侵入していることが明らかになっています。特に、表層30μmで高濃度に存在することが報告されています。
セメント質中に残留した細菌や内毒素は、歯肉の炎症を誘発したり、歯肉が歯根表面に付着するのを阻害すると考えられています。
これらの汚染されたセメント質を取り除き、上皮や結合組織が付着しやすい根面、すなわち生物学的に為害性のない根面にすることが歯周治療上大変重要になります。 -
2013年02月18日 月曜日
噛むと歯ぐきが痛い 名古屋市緑区 70代女性
噛むと歯ぐきが痛む場合、歯周病や根尖病巣、歯の破折などが考えられます。
状態
上前歯の歯ぐきの裏側で食事の時に噛むと痛みます。
昨日から急に歯茎が痛みます。
下の歯は、上の歯の裏側に当たるのですが、食事の時に食べ物が歯茎の裏側に当たり痛むのです。
症状
よく見ると歯ぐきには炎症を起こしており、やや腫れています。
歯周ポケットはその部で深く5~6mmとなっています。
歯と歯の間は、通常よりも離開してきており、動揺も見られます。
レントゲン像は、歯槽骨の吸収像がみられます。
診断
歯周病の急性発作
治療方針
歯肉の消炎処置・・・プラーク(歯垢)の除去と消毒、炎症が強く自発つもある時には、抗菌剤や鎮痛剤を処方します。
固定・・・歯間離開があるので、暫間固定処置も考えます。
咬合調整・・・咬み合せのチェックをして、一か所に無理な力の加わらないようにします。
症状が軽減したら、歯周基本処置に入ります。つまり原因であるプラークをコントロールして、スケーリング・ルートプレーンなどの処置をします。 -
2013年02月11日 月曜日
歯茎からの出血があります
歯茎から出血する場合、その部分だけからの出血かどうかを確認する必要があります。
ブラッシングなどで歯茎から出血しやすいのなら歯周病の可能性があります。
しかし、鼻血、皮下出血、血尿があったり、怪我などで体の他の部分でも出血が止まらないようなら、血液検査をして確かめる必要があります。
歯茎の出血を起こす病気
歯周病・・・歯周炎、歯肉炎
血液の病気・・・再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、血友病、白血病など
ネフローゼ症候群
糖尿病
肝臓障害・・・肝炎、肝硬変など
薬剤の影響・・・抗血小板剤などの投与
歯周病が疑われる症状は
歯ブラシの際に歯茎から出血がある
朝起きた時に、口の中がネバネバする
口臭がある
食べ物が歯の間に挟まりやすい
歯ぐきが腫れている
歯ぐきが下がり、歯が長くなった
ぐらつく
出血する歯茎を確かめよう
プラーク(歯垢)が残っていませんか
歯の付け根の歯肉が赤くなっていませんか
歯の間の歯肉、辺縁の歯肉が腫れていませんか
歯並びが悪く、歯が重なっていませんか
もし心当たりがあれば、歯茎やその内面に炎症を起こしていることも考えられ、スケーリングなどで歯石、プラークを丁寧に落とす治療が必要です。 -
2013年02月04日 月曜日
小帯手術 名古屋市天白区のコンドウ歯科
小帯とは、歯肉から唇、ほっぺたに延びるヒダ状のスジのことです。
舌の下にもヒダがあります。主なものは、
上唇小帯・・・上の前歯の間から唇に延びるヒダ
頬小帯・・・上下の小臼歯付近からほっぺたにつながるヒダ
舌小帯・・・舌の下側にあるヒダ
小帯frenumは、筋肉線維を含む粘膜のヒダです。先天的に過剰に発達したものと、歯周病により歯肉が退縮して歯肉辺縁に接近して異常な状態になったものとがあります。小帯手術の適応症
1. 小帯が辺縁歯肉に接近して付着歯肉が狭く、歯ブラシの使用時に小帯が傷つきやすく、うまく磨けない場合。
2. 小帯が歯肉辺縁に付着して口唇や頬が動くときに小帯が歯肉辺縁を引っ張って歯周ポケット壁が開いてしまう場合。
3. 小帯が歯間乳頭や口蓋側にまで達していて、歯間離開や不正咬合を生じる原因になっている場合。
手術の方法
小帯の異常程度、残っている付着歯肉の幅、口腔前庭の深さ、ポケットの深さなどにより術式を選びます。
1. 小帯を切除する。
2. さらに遊離歯肉移植術、または結合組織移植術を加える。
3. フラップ手術と同時に行う。
術式
1. 麻酔をして小帯を止血鉗子で挟む。
2. 鉗子の両側にV字状の楔状に切開を入れ、骨膜に達するように小帯を剥離する。
3. 小帯をメスや歯肉鋏で切除する。
4. 縫合をする。口唇頬粘膜側のみを縫合し、歯肉側は付着歯肉獲得のため縫合せず、パックで押さえる。
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