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2014年06月30日 月曜日
かぶせ物のマージン 名古屋 コンドウ歯科
Nevins(1986)によると、かぶせ物をする際、周囲の歯肉組織について述べられています。
かぶせ物のマージン
1. 修復物のマージンを歯肉溝内に設定する際、角化歯肉が3㎜以下の場合はbiologic widthを考慮すると
炎症の波及を防ぐうえでは、実際の付着はほとんどないと考えられます。
biologic widthとは、生物学的な歯肉の幅の事で、歯肉溝(サルカス)+上皮性付着+結合織性付着の和は
3mmと言われています。
2. マージン周囲の歯周組織にはより抵抗性のある十分な付着歯肉が存在する方が良いのです。
支台歯となる歯牙に付着歯肉がわずかしか存在しないならば、付着歯肉獲得などの歯周治療が必要となります。
3. 口腔前庭が狭い場合、口腔前庭を拡張しうる歯肉-歯槽粘膜処置が必要となります。
安定した歯肉の幅は
5mm以上の角化歯肉(2mmの遊離歯肉、3mmの付着歯肉)がある方が、
臨床的に歯周組織の健康が維持されやすくなります。
また、付着歯肉の幅や厚みが十分でない場合、歯肉退縮が生じる可能性が高いと言われています。Maynard (1979) -
2014年06月23日 月曜日
角化歯肉は大切 名古屋市 コンドウ歯科
角化歯肉とは
歯肉辺縁から歯肉歯槽粘膜の境までの歯肉です。
唇やほっぺたを引っ張っても動かない歯肉の事です。
遊離歯肉+付着歯肉=角化歯肉です。
角化歯肉の意義
1. 重層扁平上皮より成る角化歯肉は、細菌や機械的・化学的刺激 に対して高い抵抗性を持ちます。知覚過敏を起こしにくくなり、ブラシングもしやすくなります。
2. 付着歯肉不足などの歯肉歯槽粘膜の問題は、 歯周病の誘発因子と考えられます。
3. 角化歯肉は遊離歯肉と付着歯肉に分けられるが、 歯・骨に付着する付着歯肉の存在が重要です。角化歯肉が少ないと、歯肉退縮を起こしやすくなります。
角化歯肉と歯槽粘膜の違い
角化歯肉は、上皮は厚くて角化しており、結合組織は密なコラーゲン線維から成ります。
血管は少なく歯肉はピンク色です。炎症は波及しにくいのが特徴です。
歯槽粘膜は、上皮は薄紅て軟かく、結合組織は疎なコラーゲン線維から成ります。
血管が多いので赤く、炎症が広がりやすいのが特徴です。 -
2014年06月16日 月曜日
ディスタルウェッジ手術 名古屋市コンドウ歯科
ディスタルウェッジ手術は、最後臼歯の遠心面のポケット除去を目的としたフラップ手術です。
最後臼歯遠心のポケットを除去するには、歯肉切除術により、取り除きます。
ディスタルウェッジ手術の術式
1. 歯肉弁を切開、剥離する。
2. 内部のポケットを形成する上皮と結合組織を除去する。
3. 幅はポケットの深さで、その2倍の長さの三角形上に、しかも内部に行くに従って広めに歯肉を切除します。
4. 再び歯肉を縫合する。
切開には#12、キドニーシェイプナイフなどを用います。
切除方法は、長方形に切除する方法もあります。
縫合は、最後臼歯部に懸垂縫合したり、最後臼歯部寄りに刺入点を求めることにより、緊密に縫合をします。 -
2014年06月10日 火曜日
歯周ポケット浸出液量の測定法 名古屋市コンドウ歯科
歯周ポケット(歯肉溝)浸出液GCF量の測定方法
1. ペーパーストリップスを一定時間歯肉溝や歯周ポケットの中に入れるか、入り口に置き、浸出液を採取して測定します。
2. マイクロピペット法と言って、ガラスやプラスチック製の毛細管をポケットに挿入して採取します。
ペーパーストリップスの侵襲液量の測定
1. 電気的GCF測定器(ペリオトロン)を用いて測定する。
2. 0.2 %のニンヒドリンでストリップスを染色して、着色した部分の面積を測定する。
3. 顕微鏡下で、浸出液でぬれた部分の面積を測定する。
浸出液の生化学的、細菌学的検査
浸出液のコラゲナーゼやリソゾーム酵素、LPS(リボ多糖類、内毒素)、プロスタグランジンE2、
インターロイキン、細菌の産生する酵素、白血球の機能などを調べる方法が開発されつつあり、
歯周組織の破壊の程度や病変の活性度を知るのに役立つ可能性があります。 -
2014年06月02日 月曜日
歯肉弁根尖側移動術 名古屋市コンドウ歯科
歯肉弁根尖側移動術は、ポケットをなくす歯周外科の一種です。
歯周ポケットをなくすのに歯肉切除術をすると、付着歯肉の幅が減少したり、すべて失われたりすることもあります。
これを避けるために歯肉弁を剥離して、根尖側に移動を行い、縫合します。
こうすれば付着歯肉の幅を保ったままポケットを除去することが出来ます。
適応症
1. ポケット内露出根面への付着を狙わず、付着歯肉を減少させずにポケット除去したい場合。
通常歯肉を根尖側へ移動すると歯根が露出するので、ポケットは比較的浅く(4~6mm程度)、
骨吸収は比較的少なく水平性吸収の場合が適応になります。
2. 齲蝕が歯肉縁下まで進行していて、歯肉縁上まで露出させたい場合。
かつ、付着歯肉をできるだけ失いたくない場合です。
骨頂辺縁に齲蝕が近接している際は、骨切除術を併用します。
術式
1. 左右2つの縦切開と、歯肉辺縁への逆斜切開により、歯肉弁を剥離します。
2. 剥離は歯肉粘膜境を超えて十分に行います。
3. 歯肉弁を根尖側に移動します。
4. 歯肉弁辺縁が骨頂部に位置するように、まず縦切開部を縫合します。
5. 続いて、歯間部を緩く縫合します。
新しくできた前庭部を骨膜縫合すると歯肉弁が安定します。
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