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2015年10月26日 月曜日
血液疾患が関与する歯周炎
血液疾患が関与する歯周炎についてお話しします。
好中球減少症(無顆粒細胞症、顆粒球減少症)
血液中の多形核白血球が周期性や急性・慢性に減少する疾患で、
薬物中毒や突発性に起こり、細菌に対する抵抗力が弱く、
短期間で重度の歯周炎になります。
若年者に見られ、若年者の侵襲性歯周炎(若年性歯周炎、全身的に健康)と
区別する必要があります。
治療法は、プラークコントロールに重点を置き、歯肉縁下のスケーリング、
ルートプレーニングを併用し、歯肉に接するプラークを徹底的に減らすことが大切です。
白血病
白血病性歯周炎は、急性の場合(特に急性単球性白血病)は、
出血性の歯肉増殖を生じやすくなります。
治療に当たっては、内科医と協議して行います。
出来るだけ局所因子を取り除くことが大切です。
その他
慢性白血病、紫斑病、血友病の場合には、
歯周組織に特別な障害は引き起こさないと言われています。 -
2015年10月19日 月曜日
歯周の治癒形態
ポケット内部の歯根面に付着している歯石やプラークを取り除いた後、
露出根面が再び付着する形態には、「上皮付着」と「結合組織性付着」の2種類があります。
ひとたびポケットの形成などにより口腔内に露出した根面へ歯周組織が再び
付着する場合、ほとんどは結合の弱い「上皮性付着」です。
上皮性付着が多い理由
プラークが付着した根面は、スケーリング、ルートプレーニングして生物学的に
汚染されていない状態にした場合、歯周組織が再び付着する可能性があります。
しかし、ポケット内に露出した根面では、すでにセメント質は壊死し、
生きた線維の付着がないため、歯肉弁を戻し結合組織を根面に密着させても、
セメント質の再生は生じにくく歯根表面に線維が埋入された結合組織性付着は
ごくわずか生じるのみです。
通常は、歯肉上皮が根面に沿って増殖し、長い上皮性付着が形成されます。
結合組織性付着が生じる場合
根面に付着している線維が残っている場合には、
結合組織性付着が生じる可能性があります。 -
2015年10月12日 月曜日
歯周病の再評価と治療計画の修正
歯周病基本治療では、その原因であるプラークの除去を中心に行い、
歯周病の進行を停止、さらに改善させることを目的として治療します。
その後、治療効果や影響を評価して不十分なところを明確にし、
次に必要とする治療処置を決定するために「再評価」をします。
これを基に「治療計画の修正」を行います。
再評価の目的
1. 基本治療や各歯周治療によって生じた口腔内の変化、
組織反応を調べ、治療効果を評価します。
2. 改善した所と不十分な所を明確にして、最初に立てた治療計画を修正します。
再評価の時期
最初の再評価は、歯周基本治療終了時、口腔清掃が出来プラークスコア20%を維持、さらに
スケーリング・ルートプレーニング等の歯周基本治療が終了して炎症の大部分改善してから行います。
ポケット底部をキュレッタージした時には、組織の治癒を考慮して2週間以上経過後に
行います。 -
2015年10月05日 月曜日
咬頭嵌合位と筋安定位
咬頭嵌合位
下顎を安静位から意識せずに習慣的に閉じていき、上下顎の歯が
最も緊密に安定して嵌合した時の咬合位で、中心咬合位とも呼ばれています。
この咬合位は、咬合面形態によって大きく影響を受け、
咬耗や抜歯、歯の移動、補綴処置などにより咬合面形態が変わると
変化する可能性があります。
機能的には咬合位の中で最も高頻度に咬合接触する位置であり、
咬頭嵌合位の早期接触は、歯周組織をはじめ咀嚼系全体に
大きな影響を与えます。
筋肉位
左右の咀嚼筋が極めてバランスのとれた活動をし、
安定した状態で(片側のみ異常な筋活動をすることなどがない)、
上下の歯が咬合接触する位置を言います。
「筋安定位」「筋機能位」とも呼ばれ、健常者では咬頭嵌合位と一致しています。
このことは咀嚼系を生理的に健康に保つのに大切であり、
両者が一致しないとブラキシズムや機能障害を生じやすくなります。
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