2014年09月08日 月曜日
抗菌薬の歯周ポケット内投与
局所薬物配送システム
ポケット内など病変が生じている局所に長時間にわたり薬物が作用し効果を発揮するシステムです。
局所に高濃度の薬物を長時間作用させることが出来、全身に対する副作用が少ないという利点もあり、
広く用いられています。
歯周ポケット内に徐放性の殺菌薬(テトラサイクリン系殺菌薬など)を注入し、
歯周病性細菌を減少させる方法です。
歯周病治療への応用
従来から歯周ポケット内への貼薬は行われていました。
特にポケット内ではグラム陰性嫌気性菌の為害作用が強いことが明らかになったことから、
これらの細菌に対し有効な抗菌薬(テトラサイクリン系)をポケット内へ挿入し、
しかも徐放性にして長時間高濃度を保ち、有害菌を減少させる治療法が行われるようになりました。
適応症
1. 細菌が著しく増殖していると考えられる急性鐘状期(急性歯周膿瘍)
2. 有害な菌が特に多いと考えられる侵襲性歯周炎
3. 根分岐部や形態異常による根面裂溝部などスケーラーによる機械的清掃が困難な部位
4. 局所的に存在する極めて深いポケット
5. 全身状態が悪く歯周外科が行えないケース