歯の周りの骨が失われたことだけで、疾病の診断は確定しません。

歯の周りの骨が喪失するケース
1. 歯周病
歯肉に近い部分や根分岐部などの骨から喪失するケースが多く、進行すると骨の喪失する量が増えて、歯が動揺してきます。
咬合性外傷が加わるとその部の骨の喪失が多くなります。
2. 根尖病変
通常、根管の先端の骨から喪失しますが、根分岐部への神経の管が伸びている場合には歯周病の根分岐部病変のような像を呈します。
さらに、根尖病変と歯周病が重なり合い、ペリオ・エンド病変となることもあります。
3. 歯根破折
歯根が破折している場合には、破折に沿って炎症が広がりその部の骨も失われます。歯周病の咬合性外傷に似た像を呈します。
症状が進み、根が分かれてしまう場合には、根尖付近まで骨が失われます。
4. 埋伏歯の影響
親知らずなどにより周囲の骨を溶かすことがあります。斜めに倒れている親知らずなどの隣の歯は、接している部分に炎症を起こしやすく、歯槽骨が失われている場合があります。

診断を付ける
症状だけでなく、各種検査や病状の経過なども参考にして精査して診断をしていきます。
その症状と一見関係ないと思われても、全身の疾病が関連してくることもあります。
骨粗鬆症、糖尿病、高血圧など全身疾病は局所にも影響を及ぼしています。
歯科医院でしっかりと診断を受けましょう。