歯周病は慢性の経過をたどることが多いですが、歯肉が急に腫れて痛むこともあります。
急性歯肉膿瘍、急性歯周膿瘍と呼ばれ、P急発などとも言われています。
「膿瘍」は細菌感染による化膿性の炎症で、細菌が歯肉や唇部歯周組織に侵入して
増殖したものです。
病因
歯周ポケット内細菌が、ポケット上皮の損傷したところから侵入し、
組織の防御機構を破って増殖して生じます。
発病しやすいのは、
1. 深いポケット、特に骨縁下ポケットや根分岐部病変のある歯へ咬合性外傷が加わったり、
ポケット内へ食べ物や異物が入り込んだ場合。
2. 風邪や糖尿病などによって防御機構が低下した場合。
3. 深いポケットのある歯に矯正力が加わった場合。
4. 歯根が破折(垂直破折)している場合など。
検査と診断
自発痛や咬合痛があり、膿瘍は急に発現し、時に発熱や不快感を伴います。
ポケットが深く、6~10mm以上あることが多い。
治療
基本的には、排膿させて、抗菌薬の投与を行い細菌の増殖を抑えます。
排膿は、切開とポケットからの二つのルートがあります。