2016年05月03日 火曜日
歯周病になると歯並びが乱れる?
歯周病が進むと歯並びが乱れ、以前良かった歯並びだが、
隙間が出来たり、飛び出してきたり、デコボコになったりしてくることがあります。
では、如何してこのようなことが起こるのでしょうか。
1. 病的移動
歯の移動は、健全な歯周組織に支えられている歯においては、
矯正治療に認められるような弱い矯正力を長時間加えることによって生じます。
しかし、歯周病に罹患すると、生理的な位置を保っているバランスが崩れ、
歯の移動が生じます。
このような移動を「病的移動」と言います。
病的移動を生じさせる因子は、
1) 歯周組織の支持力の低下や喪失
2) 歯に加わる異常な力
などが挙げられます。
2. 歯周組織の支持力の低下と喪失
歯周病による炎症や咬合性外傷によって歯槽骨が吸収し、
歯周組織本来の支持機能を発揮できずに、
生理的な咬合力が絶えず繰り返されることによって
歯の病的な移動が生じてきます。
症状は、上顎前歯では正中離開、前突、挺出などが重度の歯周炎で見られます。
歯の喪失により、傾斜、歯間離開、挺出、捻転などの歯の移動が起こります。
3. 歯に加わる異常な力
悪習癖などによって起こることが多く、
ブラキシズム、舌や口唇の習癖などによって生じます。
例えば、舌尖で前歯を押すと歯間離開や前突などの
歯の移動が起こります。