-
2016年07月18日 月曜日
根面被覆術はどのようなときに行うか?
歯根面被覆術は、表側の歯肉が薄く、歯肉が退縮して
歯根面が露出してくるような場合に適応されます。
理想的な状態とは、
歯の周りにはしっかりとした骨があり、角化した丈夫な歯肉の存在が
歯周組織の安定につながります。
従って、骨の厚み、歯肉の厚みが確保できる必要があります。
現状は
歯周病、先天的な歯周組織の厚み、ブラッシングのやり方、歯並びの状態などにより
骨や歯肉の厚みは影響を受けます。
例えば不正咬合で歯が飛び出している部分は、歯槽骨の中心の厚みのある骨から外れているので、
表側の骨が薄くなります。そうなると後天的な環境要素の影響を受けやすく、
歯周病などで歯周組織を失いやすくなります。
対策
歯肉移植、骨の移植などにより、歯周組織の厚みを増やすことが出来れば、
歯周組織を安定させることにつながります。
歯肉移植して根面を被覆することは、歯肉を退縮させる悪い環境要素の影響に対しての
抵抗になります。
上あごの内側の歯肉を移植する方法がとられます。
ケースによって適応症があるので、よくご相談することをお勧めします。 -
2016年07月11日 月曜日
歯周疾患の矯正治療に適した可撤式矯正装置
歯周病が進行して重症になってくると、病的な歯の移動が起こり
全体の歯並びも乱れてくる場合が多くみられます。
そのような場合には、可撤式の矯正装置を使って治療する方法があります。
病的移動が生じる過程
・通常は歯、歯槽骨との間に歯根膜という構造でつながっています。
・歯周病により炎症が生じると歯肉や歯根膜の方に炎症が波及して、
その結果早期接触などの咬合異常が起こります。
・炎症と力の組み合わせで加速度的に歯周病が進行して、歯槽骨の破壊が進み
さらに深部にまで炎症が及びます。
・歯の動揺が増して、残っている歯周組織だけではその場所に歯を留めることが出来ず、
病的な歯の移動が起こってきます。
可撤式矯正装置
・ホーレータイプの装置がよく用いられ、唇側線の弾力を用いて前歯の舌側移動を行い、
補助弾線などでさらに細かな移動ができます。
・可撤式なのでブラッシングなどの清掃に支障がありません。 -
2016年07月04日 月曜日
垂直性骨吸収はどうして起こる?
歯槽骨の垂直性吸収は、X線写真上で両隣在歯の
セメント・エナメルジャンクションCEJを結んだ仮想線に対して、
吸収した歯槽骨縁が角度をなしている場合を言います。
慢性歯周炎の場合は、多くは歯槽骨は水平的に吸収していきます。
しかし垂直性吸収の場合には、様々な要素が加わります。
原因としては、プラークが主に関与するわけですが、
1. 早期接触やブラキシズムといった外傷性咬合
2. 食片圧入が合併していることもしばしばあります。
すなわち、垂直性吸収は、
一か所に限局する異常な咬合圧が加わった時に起こります。
予後
長期的な予後を見ると、垂直性吸収は歯を失う危険性が増し、
予後不良となります。
治療
プラークによる炎症の除去と、咬合圧による力のコントロールが必要になります。 -
2016年06月27日 月曜日
歯周ポケットの深さ
ポケットの深さは、歯肉辺縁を基準としてポケット底までの深さを測ります。
1. 歯肉が退縮している場合、ポケットが浅ければ歯周病が軽いと言えるのでしょうか?
歯周組織の量が減少して歯肉退縮していれば、すでに進行してしまった歯周病が
留まっているとも考えられます。
ポケットが浅ければ、プラークがポケット内に入り込む量が少なくて済み、
コントロールしやすいかもしれません。しかしそれだけではなく、
角化歯肉がある程度ないとブラシを当てた時に痛みがあり上手く磨けません。
従ってポケットの深さだけで歯周病の程度はわかりません。
2. ポケットが深いと問題があるのでしょうか?
ポケット内にプラークや歯石がたまり易いため、ポケット内に炎症が起き
歯周病の巣となる可能性があります。
また、歯ブラシが内部まで届かないため益々汚れがたまり易くなります。
3. 歯周ポケットの深さは歯の面によって違う
一本の歯の表、裏、間のポケットはそれぞれ深さが一定ではありません。
炎症の強い部位はポケットが深く、歯槽骨の吸収が引き侵されている部分でも深くなります。
1本の歯につき、6点、4点などのポケットを測定して検査します。
-
2016年06月20日 月曜日
歯肉退縮をどう診るか
歯周病になり、歯肉が痩せてきて根元が見えてくることがあります。
そのことを歯肉退縮と言います。
歯肉退縮量
セメント・エナメル境CEJや補綴のマージンから歯肉辺縁までの距離を測り
歯肉退縮量が何mmと表します。
歯周病の進行度と歯周組織喪失の関係は
歯周組織の喪失量を知るには、ポケットの深さと歯肉退縮量を合わせて考慮する必要があります。
歯周ポケットが浅くても、歯肉退縮量が多ければトータルで考えると歯周組織量がかなり失われていることになります。
一方、ポケットが深く歯肉退縮量がほとんどない場合は、ポケットが浅くなると歯根露出を招く可能性があります。
歯根露出しやすいタイプとは
歯肉が薄い、骨が薄い場合には、歯周病で炎症が深部に波及した場合、
容易に歯周組織を失うことになります。
逆に、歯肉が厚く、しかも角化歯肉の幅があり、歯の周りの骨の厚みもある場合には、
簡単には歯周組織を失わな和ないので、歯根露出しにくいタイプと言えます。
perio Blog
カテゴリ一覧
カレンダー
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最近のブログ記事
月別アーカイブ
-
2024年 (26)
-
2023年 (52)
-
2022年 (52)
-
2021年 (52)
-
2020年 (52)
-
2019年 (52)
-
2018年 (53)
-
2017年 (51)
-
2016年 (52)
-
2015年 (50)
-
2014年 (52)
-
2013年 (52)
-
2012年 (57)
-
2011年 (49)