糖尿病と歯周病が深い関係にあることは、最近話題になっています。では、なぜ糖尿病が歯周病を進行させるのでしょうか?
そのメカニズムの一部が明らかになってきました。
■ 糖尿病が歯周病を進行させるメカニズム ■
1. 血管壁の変化
末梢血管などの血管壁が、退行性変化や基底膜の肥厚を生じ、栄養や酸素の供給が低下することにより歯周病が悪化する。
2. 生体の防御機構の変化
糖尿病の特徴である血管系の異状により、歯周組織の防御機能の中心的役割をする好中球の機能が低下する。
3. 口腔内、特に歯肉縁下の細菌叢の変化
MashimoらGencoグループは、糖尿病患者の中でも若年性(インシュリン依存性糖尿病)で歯周炎に罹患しているものでは、Aggregatibacter actinomycetemcomitansやCapnocytophagaなどの為害性の強い菌が多く、いわゆる若年性歯周炎と類似した細菌叢を形成している。
成人のインシュリン非依存性糖尿病では、成人(40歳以降)の重度歯周炎患者に見られるPrevotella intermediaやPorphiomonus gingivalisが多く、これらの細菌の存在が高度な歯周組織の破壊に関与している。