2012年08月06日 月曜日
若くして重度の歯周病
■ 質問
まだ、30歳代なのに重度の歯周病になっています。
前歯が飛び出して、グラグラになり自然に抜けてしまいました。
予防方法、対策はないのでしょうか?
■ 答え
若くても、重度の歯周病にかかることがあります。多くがプラーク中の特定の歯周病菌が関与して発症する場合です。歯を支えている骨が溶けるまで進行してしまい、あわててしまいます。
■ 代表的な歯周病菌
1. Porphyromonas gingivalis (P.ジンジバリス)
2. Treponema denticola (T.デェンティコラ)
3. Tannerella forsythensis (T.フォーサイセンシス)
4. Aggregatibacter actinomycetemcomitans (A.アクチノマイセテムコミタンス)
5. Prevotella intermedia (P.インターメディア)
■ 予防対策
1. プラークコントロール
初期の原因は、バイオフィルム(プラーク)です。まずは、プラークコントロールをして毎日、ハミガキ、歯間ブラシを丁寧に行います。歯科医院で歯石取り(スケーリング)をしてもらいます。歯周内科(自費です)により、薬を用いて集中スケーリングをして歯周病菌を減らすことも可能です。
2. 歯周再生療法
しかし、すでに歯ぐき、歯を支えている骨まで侵されているので、その治療が必要になります。スケーリング・ルートプレーニング、乱れた噛み合わせの調整、歯周ポケットをなくす治療が必要です。重度の歯周病の場合は、外科的にポケットをなくすための歯周外科手術も選択肢です。フラップオペと呼ばれる手術です。エムドゲインという薬(自費になります)を使った歯周再生療法もあります。
3. 抜けた部分の修復
インプラント、ブリッジ、入れ歯の方法があります。前歯ですので、審美的に良好な状態にしたいですね。ブリッジの場合は、抜けて下がってしまった歯茎を補うために、そこに歯肉を移植(結合組織移植術CTG)してからかぶせるとよいでしょう。
4. その他の治療
ほかのぐらついた歯は、固定、連結冠などをします。
乱れた噛み合わせは、咬合調整と矯正治療の手技で治します。