2014年12月15日 月曜日
歯周組織に生じると思われる免疫反応による組織破壊
1. 体液性免疫反応による組織破壊
慢性歯肉炎や歯周炎では、多数のプラズマ細胞が出現しており、
抗体(主にIgG、他にIgA、IgM)を産生し、組織中に侵入した
抗原と反応し(抗原抗体反応)、免疫複合体を作ります。
これは補体を活性化し、好中球を遊走させ、集合させます。(走化性)
好中球はこの複合体を貪食しますが、
その過程でリソゾーム酵素を放出し、コラーゲン線維などの組織を破壊します。
さらに白血球も破壊され、炎症が長期化します。
2. 細胞性免疫反応による組織破壊
慢性歯肉炎や歯周炎では、マクロファージの抗原処理により
T細胞が活性化され、サイトカインを産生します。
サイトカインは多くの因子を含んでおり、炎症性細胞の遊走促進、
細胞毒性を有して線維芽細胞を変性させたり、破骨細胞活性化因子を有、
し歯周組織を破壊します。