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2013年03月18日 月曜日
音波・超音波歯ブラシ
お口の健康を維持するには、歯みがきが重要です。音波水流や超音波で毛先の届きにくい歯間や奥歯の歯垢まで効果的に除去するブラシが話題になっています。
ブラシの仕組み
人が聞こえる音の周波数は、20~2万Hz(1秒間当たりの振動数)です。超音波とは、2万Hzより多い振動数で聞こえない音のことを言います。
音波歯ブラシは、N極とS極を1秒間に500回のスピードで切り換えて、ブラシを毎分約3000~3万回振動させて音波を生じます。
超音波歯ブラシは、ブラシの先に取り付けた超音波素子により、約1.6MHz(1秒間に160万振動)の超音波を生じます。
綺麗にする仕組み
音波・超音波歯ブラシは、その波動エネルギーにより、ある一定の周波数でプラークを構成する細菌の線毛やバイオフィルムを破壊すると言われています。
超音波ブラシでは、音波ブラシで除去困難な不溶性グルカン(粘着性が高い糖質でバイオフィルムの膜を構成しているもの)も取り除くことができます。ただし、超音波歯ブラシはブラシの毛先はほとんど動かないので、プラークそのものを落とすには、手用ブラシの時ように毛先を動かして除去します。
また、口腔内の唾液の中で用いることにより、キャビテーション効果が増大し、歯ブラシの届きにくい歯間隣接面や歯周ポケット内のプラーク除去に有用であると言われています。
仕上げも忘れずに
音波・超音波歯ブラシは、汚れを落とす効果に優れていますが、歯間清掃用具(デンタルフロスや歯間ブラシ)の併用により、効果はさらに高まります。 -
2013年03月11日 月曜日
プラークコントロールする方法
プラークコントロールとは、虫歯や歯周病の原因であるプラーク(歯垢)をできるだけ取り除いて減らすようにコントロールすることです。プラーク=細菌(虫歯菌、歯周病菌)を0にできればよいのですが実際には無理なので、プラークの増殖を抑制し、歯や歯茎にに悪影響を及ぼさない程度にいつでもコントロールしておくことが大切です。
歯みがきだけがプラークコントロールではなく、いろいろな方法があります。
プラークコントロールする方法
1. ハブラシによる歯みがき
プラークの付きやすい歯の付け根、歯と歯の間、奥歯の溝などを念入りに磨きます。虫歯予防、歯周病予防、口臭予防になります。
2. デンタルフロスや歯間ブラシによる歯の間の清掃
歯ブラシで届かない歯の間に効果的です。
3. リステリン・コンクールなどによる「ぶくぶく うがい」
補助的な方法としてプラークの抑制効果を狙います。
4. 食べ物の取り方
軟かいものばかり食べていると歯に停滞しやすくなります。間食制限、砂糖の摂取制限も虫歯予防に効果があります。
5. 歯科医院で行う事
PMTCという専門的な歯の清掃、
不適合な冠や詰め物(プラークがたまる原因)を治療してもらう、
スケーリングをしてプラークが付きにくくする、
歯周外科により歯周ポケットをなくして、清掃性の良い歯肉に改善 してもらう、 -
2013年03月04日 月曜日
P急発、歯周病の急性発作
P急発とは、歯周病の急性発作のことで、急性歯根膜炎のことです。
通常、歯周病は慢性疾患なので症状が現れにくいと言われています。しかし、体調不良や、局所的に問題が発生した場合、強い痛みと、歯肉の腫れなどが出てきます。
P急発の症状
1. 痛み
急性発作時には痛みが強くなります。
2. 歯肉の腫れ
歯肉に膿がたまっている状態を、歯肉膿瘍(GA)と言います。歯肉は赤く、発赤している部分を触るとすごく痛い。
3. 噛むときに痛む、あるいは噛めない
歯が浮いた感じがあり、噛むとその歯だけ当たるために痛く、しっかりと噛めない状態になる。
4. 歯の動揺
グラついてくる。
5. 深い歯周ポケット
歯肉内部の炎症が強く、ポケットが深くなり、骨縁下ポケットを作っていることもある。
原因
1. 深い歯周ポケットや根分岐部病変を持つ部分に咬合性外傷が加わる。食物などの異物が入り込む。
2. 風邪などで体調を崩したり、糖尿病などの疾病を持っている。
3. ブラッシングなどで、プラークがポケットに押し込まれる。
4. 歯の間の食べかすをそのままにして、歯肉に押し込まれている。
治療
1. 炎症を抑える為、プラークや圧入された食べかすを取り除く。ポケット内の洗浄をする。
2. 抗菌剤、鎮痛剤の処方。局所の抗菌剤の塗布。
3. 咬み合わせの調整をして、咬合性外傷を取り除く。
4. 歯肉膿瘍ができている場合には切開して、膿を出す。 -
2013年02月25日 月曜日
ルートプレーニングとは
歯周病の治療では、歯石を取り除いた(スケーリング)後、歯根面を滑沢(ルートプレーニング)にします。
ルートプレーニングの目的は、ポケット内に露出した根面の汚染セメント質を除去し、歯周組織に対し生物学的に為害性のない根面にすることです。
セメント質の変化
正常なセメント質は、歯肉や歯根膜から栄養の供給を受けています。しかし、ひとたびポケットが形成されれば、栄養が供給されなくなり壊死します。
セメント質の表面にはプラークが付着し、細菌はセメント質表層の凹部、裂溝、シャーピー線維の残存部などへ侵入していきます。
セメント質の中へ侵入した細菌は、石灰化して歯石となり、セメント質との境界は不明瞭になります。
すなわち、歯石はセメント質の中に入り込んでいます。
スケーリング&ルートプレーニングの目的
このため単にスケーリングで根表面の歯石を取り除いても、歯石の一部はセメント質内に残留する危険性が高くなります。
また、露出セメント質中にグラム陰性菌由来の内毒素(エンドトキシン)が侵入していることが明らかになっています。特に、表層30μmで高濃度に存在することが報告されています。
セメント質中に残留した細菌や内毒素は、歯肉の炎症を誘発したり、歯肉が歯根表面に付着するのを阻害すると考えられています。
これらの汚染されたセメント質を取り除き、上皮や結合組織が付着しやすい根面、すなわち生物学的に為害性のない根面にすることが歯周治療上大変重要になります。 -
2013年02月18日 月曜日
噛むと歯ぐきが痛い 名古屋市緑区 70代女性
噛むと歯ぐきが痛む場合、歯周病や根尖病巣、歯の破折などが考えられます。
状態
上前歯の歯ぐきの裏側で食事の時に噛むと痛みます。
昨日から急に歯茎が痛みます。
下の歯は、上の歯の裏側に当たるのですが、食事の時に食べ物が歯茎の裏側に当たり痛むのです。
症状
よく見ると歯ぐきには炎症を起こしており、やや腫れています。
歯周ポケットはその部で深く5~6mmとなっています。
歯と歯の間は、通常よりも離開してきており、動揺も見られます。
レントゲン像は、歯槽骨の吸収像がみられます。
診断
歯周病の急性発作
治療方針
歯肉の消炎処置・・・プラーク(歯垢)の除去と消毒、炎症が強く自発つもある時には、抗菌剤や鎮痛剤を処方します。
固定・・・歯間離開があるので、暫間固定処置も考えます。
咬合調整・・・咬み合せのチェックをして、一か所に無理な力の加わらないようにします。
症状が軽減したら、歯周基本処置に入ります。つまり原因であるプラークをコントロールして、スケーリング・ルートプレーンなどの処置をします。
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