2013年04月29日 月曜日
歯周ポケットをなくす掻爬術
歯周病治療の一つの「歯周ポケット掻爬術」についてご説明します。
歯周ポケットとは、歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)が歯周病で病的に深くなったもです。ポケット状に深くなった内部は、ブラッシングによる清掃も困難ななため、プラークが増加して細菌が多くなります。
そのような歯肉ポケット内部では、炎症が起こっていて、歯根膜線維、周囲の歯槽骨が侵されます。歯根のセメント質には、歯肉縁下歯石がたまり、さらに細菌性プラークが増加します。
歯周ポケット内部の細菌
歯周ポケット内部は酸素が少ないので嫌気的条件となり、為害性の強いグラム陰性の嫌気性桿菌が増加しやすくなります。
歯周ポケット掻爬術(キュレッタージ curettage)とは
歯周ポケット内部の歯根面をスケーリング・ルートプレーニングSRPするとともに、ポケットに面する歯肉の炎症部分(上皮と炎症が強い結合組織)を掻爬して取り除きます。
歯周ポケットを形成する歯肉を根面に再び付着させて、ポケットを浅くすることを目的にします。軽度な歯周病ならかなりの効果が望めます。
また中等度から重度の歯周病の場合、、歯周外科手術の前にポケットを形成する歯肉の炎症をできるだけ取り除く目的で行う場合もあります。