根分割療法とは、歯根を根分岐部で分割して治療する方法で、
分割した根(1~2根)を除去する「根切除術」と、
両方とも保存する「根分割保存法」があります。
1. 根切除術(ルートリセクションroot resection)
歯根を切除する治療法という意味で、多根歯の1根または2根を切断し除去して
根分岐部病変を完全に消滅させ、局所の清掃性を高めることを目的としています。
a. 根切断術root amputation(歯根切除)
歯冠部は切断せず病変の重度な歯根のみを分岐部で切断し、除去する治療法です。
適応症は、多根歯の1根のみに高度な骨吸収があり、その歯根が
歯肉の炎症の改善や歯周ポケット除去の障害となっている。さらに
その根を除去した後、残存する歯根のみで咬合機能を十分に果たすことです。
b. 根分割切除術hemisectionとtrisection(根分割抜去)
根分岐部で歯根を歯冠と共に分割して病変の進んだ1根または2根を除去し、
根分岐部を消滅させ、残った歯根を長期保存しようとする治療法です。
適応症は、3度や2度の高度な根分岐部病変で、
特に一方の歯根の歯周組織破壊が進行して保存が難しい場合です。
2. 根分割保存術root separation(歯根分離)
根分岐部で歯冠と共に歯根を分割して、両方の歯根とも保存する治療法です。