歯周炎の初発因子がプラークであることが明らかとなり、
咬合性外傷と炎症性は買いが区別されるようになって以来、
従来部分床義歯でしか補綴できないと考えられてきた広範囲の欠損歯列に対しても、
固定式のブリッジで治療が可能であることが報告されています。

NymanとLindheらは、歯周病などにより支持力が著しく低下した場合、
可撤式義歯より固定式ブリッジの方が残存歯を固定する作用があり、
しかも咬合力を調整分配できるので有利であるとし、
少数支台歯のブリッジ(全顎にわたるブリッジ)の10年以上の長期症例を発表しています。
この場合大切なのは次の点です。
1. 支台歯の歯周組織が歯周病治療により健康を回復しており、
今後もプラークコントロールを中心とするメインテナンス治療が行われる。
このためには、清掃性の良い修復物を作ることが大切です。
2. Nymanの失敗例への検討から、ブリッジの生物物理学的性質を考え、
咬合力が加わった時ブリッジの各部分に歪みが生じないように製作することです。
すなわち、メタルには十分な厚みを持たせ、歪みが生じないようにします
歪みが生じるとブリッジ自体の破損や合着に用いたセメントの破壊を引き起こし、
予後不良となります。
3. 支台歯の維持装置の維持力をできるだけ強くする必要があります。
維持力の強化の面からは全部被覆冠が部分被覆冠より適しており
歪みも部分冠の方が発生しやすいです。