歯周病で歯が病的移動をしてくることがあります。
その歯だけに目が行き、何とかならないかと悩んでしまうこともあります。
よく考えると、以前から罹っていた歯周病や奥歯の欠損が関係している事が
多いのです。
なぜ前歯が飛びててくるのか
歯は骨に直接くっついているわけではなく、歯根膜の歯根膜繊維という
骨と連結する組織が存在します。
それが歯周炎による炎症により破壊され、重度になると歯の周りの歯槽骨も溶けてしまいます。
すると、糸の切れた凧のように今まであった位置から離れてしまいます。
これが歯周病による「病的移動」です。
どこに移動するのか
口唇、舌、頬粘膜、咬合などの力のバランスの取れた位置に移動します。
歯肉に腫れ、骨の吸収があれば、そこから遠ざかる方向に移動します。
歯周病により、奥歯も前歯も前方に倒れる傾向があります。
もし、奥歯に欠損があれば、奥歯はさらに少しずつ倒れて咬み合わせが低くなります。
すると前歯が前に飛び出てくるのです。
下の前歯に押されて上の前歯が前方に飛び出ると、
歯列弓が広がるために歯の間に隙間ができてくるのです。