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2011年09月10日 土曜日
歯周病の罹患率はどれくらい?
6年ごとに行われる歯科疾患実態調査というもので罹患率を見てみましょう。
厚労省・歯科疾患実態調査(2005年)によると、
年齢階級別の有病者率(出血、歯石、歯周ポケットのあるもの)をみると、年齢が高くなるにつれて歯肉に所見のある者が増え、45~54歳の年齢層で約88%に達し、加齢とともに増加する傾向にある。
中等度~重度の歯周病の割合も、年齢とともに高くなり、30~34歳の年齢層で23.9 % 、40~44の年齢層で28.9%、50~54の年齢層で41.7%、60~64の年齢層で51.2%に達する。中等度の歯周病の割合(歯周ポケット4mm以上6mm未満)は、30~34歳で23.5 % 、60~64歳で37,7%です。
重度の歯周病の割合(歯周ポケット6mm以上)は、30~34歳で0.4% 、60~64歳で13,5%です。 -
2011年09月03日 土曜日
歯周病を悪化させる要因とは?
歯周病を悪化させる要因があります。生活習慣を正しく行い、普段からプラークコントロールに努めましょう。
1. 歯並びが悪い。
プラークコントロールが上手く出来ない。2. 喫煙をする。
タバコをすっている方は血流が悪くなるので,歯周病が進みやすく,いったん炎症がおきてしまうと治りづらい。
歯にタールが付くため、そこにプラークがたまりやすくなる。3. 軟食が好み
柔らかい食べ物は、歯肉に適度な刺激が加わらず、歯の周囲に残りやすい。4. 糖尿病
体の抵抗力が低下するため,歯周病も急速に悪化させ、回復力も低下する。5. 口呼吸の方
お口の中が乾燥しやすくなり,炎症を起こしやすくなります。6. 歯ぎしり
歯は垂直に噛む力が強いのですが、横揺れには弱いのです。歯が摩耗するばかりでなく、歯周病を進行させます。7. つまようじの使用
つまようじを使うと歯肉を傷つけ、そこから炎症が起きます。8. ストレス
身体の免疫力が低下したり、お口がが乾燥するため、炎症を起こしやすくなります。9. 食生活
食事がばらばらで不規則だと、唾液の分泌も十分でないため、お口の中が不潔になりやすい。10. 妊娠期
女性ホルモンの影響で歯肉に炎症を起こしやすくなります。 -
2011年08月28日 日曜日
歯周病検査ってどんな事をするの?
歯周病かどうかの検査には、いろいろな種類があます。しっかり検査を受け、歯周病なら治療を、OKなら歯周病予防に努めましょう。
1. 歯周ポケット検査
歯周ポケットの深さの検査は、「プローベ」という細い針に溝が切ってある器具を使用します。このプローベを使って、歯の周りに沿って歯周ポケットの深さを計っていきます。正常では、1~2mmですのでそれ以上だと異常です。6mm異常だとプラーク、歯石の除去だけでは、治療が難しくなります。2. 出血の検査
プローベを用いて深さと同時に、ポケット内からの出血を調べます。出血があるという事は、炎症が進行していると考えられます。3. 動揺度検査
歯槽骨が溶け、歯根膜線維が断裂してくると歯が動いてきます。急性炎症を起こしている時は、動揺が強くなります。歯槽骨が根尖部まで溶けると、上下に動きます。、4. 噛み合わせの検査
歯周病により歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨に異常が出てくると、噛み合わせが乱れます。特に炎症が強く起こっている部位の歯は、挺出(飛び出てくる事)してきます。また、歯の間が離開してきます。5. 歯周病菌の検査
歯周病菌は簡易検査で、歯肉縁下プラーク中のPorphyromonas gingivalis、Treponema denticola及び Tannerella forsythiaの3菌種を検出する事が出来ます。また、位相差顕微鏡で数やある程度の菌の種類を観察できます。詳しく歯周病菌の種類の特定をするには、専門の検査機関に外注で出すので日数がかかります。
6. レントゲン検査
歯の周りの骨の状態は、内部なのでレントゲンを撮影して調べます。骨の吸収があれば歯周病を疑います。7. 口腔内写真
口腔内写真は、状態の変化を経年的に調べるのに役立ちます。正面、左側、右側、上の噛む面、下の噛む面 の5枚程度を写します。8. 歯磨きの状態のチェック
プラークを赤く染色します。歯周病の局所原因であるプラークは、しっかり除去したいですね。9.全身状態、生活習慣などを含めた問診
歯周病は免疫力が低下した時、かかり易くなります。糖尿病、喫煙、食生活、ストレスなどと歯周病との関係については多くの報告があります。 -
2011年08月25日 木曜日
歯磨きを一生懸命やっているのに歯周病が治らない?
ブラッシングを一生懸命やれば、歯周病が治ると思っていませんか?
歯科医院で、歯石を取ってもらえば、治療完了と思っていませんか?
この考えには、ちょっと無理があります。【ブラッシングだけで歯周病は治らない】
歯周病のごく初期の段階では、歯磨きだけでかなり効果があります。しかし歯ブラシの毛先はポケットの深さ2ミリまでしか到達しないことが実験の結果わかりました。歯周病が進行してポケットが深くなるとブラシが到達せず、磨き切れていない部分が出来ます。
2ミリ以上の深さになると、歯周病専用の器具(スケーラー)を使ってポケット内を掃除して、消毒しなければ細菌を除去できません。
さらに、4ミリを超えてしまった場合は、メスにより歯肉を切開して、健康な歯肉の状態に近づける手術が必要です。【歯石除去(スケーリング)だけで歯周病は治らない】
歯石を除去しても、プラークが再び付いてしまえば、歯周病は予防できません。
プラーク中の歯周病菌は、嫌気状態(空気に触れない状態)を好むため、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットと呼ばれる溝の中や、歯並びが悪い歯の間、そしてかぶせ物の隙間などで繁殖します。歯石除去した後は、プラークが再び付かないようにブラッシングをしましょう。
歯石は歯の表面に唾液中のカルシウム成分や血液成分が石のようになって硬く付着したもので、歯石自体は細菌ではありません。しかし、歯石の表面は、凸凹して細菌プラークが付きやすくなります。歯石除去(スケーリング)は、歯の表面を滑らかにして、プラークを着きにくくするために行うのです。
また、進行した重症の歯周病では、歯の周りの組織が破壊され、原因のプラークがなくなっても元の状態に戻らなくなります。
早めの予防と、毎日の歯磨きが大事です。 -
2011年08月20日 土曜日
歯周病と全身疾患との関係
歯周病は糖尿病、心疾患をはじめ様々な全身疾患との関連性が報告されています。 歯周病を引き起こす細菌が、肺炎や細菌性心内膜炎を 起こし、さらに血栓を作り脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。妊産婦では、早産、低出生体重児の危険があります。近年、糖尿病との関係が非常に深い事もわかってきました。
1. 糖尿病
歯周病も糖尿病も、どちらも生活習慣病であり血管の障害や免疫の低下をもたらします。糖尿病が歯周病を悪化させることは以前から報告されてきましたが、現在では、歯周病が糖尿病を悪化させるという、相互の影響が指摘されています。また、歯周病の治療を行い、プラークコントロールがしっかりしてくると、血糖値が下がることもわかってきました。2. 細菌性心内膜炎
お口の中の歯周病原菌は組織に対して付着能力も高いものもあるため、心臓の弁やその周囲に感染して心膜炎を起こす危険が高くなることが報告されています。3. 誤嚥性肺炎
高齢者、特に寝たきりの方など体力が減弱している人は、嚥下機能も弱っているため誤嚥を起こし、歯周病原菌などが肺に進入して肺炎を起こす危険が高くなります。 この誤嚥性肺炎の病巣から歯周病原菌が検出されています。4. 動脈硬化
歯周病の原因となる細菌の毒素が、血流に乗って血管に作用し動脈硬化を引き起こします。5. 早産、低体重児
歯周病に罹患している部位から、毒素や炎症性物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどして低体重児出産や早産のリスクが高まることが明らかになっています。母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるとも言われています。
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