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2012年03月11日 日曜日
慢性歯周炎の進行 天白区コンドウ歯科
歯周炎とは、プラーク細菌によって生じた炎症性の破壊が、歯肉から深部の歯槽骨や歯根膜に及んだものです。症状は、付着上皮の根尖側移動、真性ポケット形成、アタッチメントロス、歯槽骨の破壊吸収がみられます。
慢性歯周炎とは?
慢性歯周炎は、以前は成人性歯周炎とも呼ばれていました。
局所因子(プラーク)による歯周組織の破壊が、全身因子によって強く修飾されていない歯周炎のことで、慢性にゆっくりと進行します。成人に見られる歯周炎は、ほとんどがこれに属しています。しかし、為害性の強い特殊な細菌、咬合性外傷、全身疾患などが加わると、急性に進行する場合があります。
1. 軽度慢性歯周炎
軽度の歯周炎で、骨吸収は歯根の長さの1/3より少なく、歯周ポケットは3~5mm、根分岐部病変はなく、歯の動揺度の増加もない。
2. 中等度慢性歯周炎
骨吸収は歯根の長さの1/3~2/3、歯周ポケットは4~7mm、:軽度の根分岐部病変も含む、歯の動揺度は軽度(1度)に増加する。
3. 重度慢性歯周炎
骨吸収は歯根の長さの2/3以上、歯周ポケットは6mm以上、:根分岐部病変2~3度を含む、歯の動揺度は軽度(2~3度)に増加する。 -
2012年03月04日 日曜日
プラーク性歯肉炎
プラーク細菌が原因で生じた歯肉炎のことです。炎症は歯肉に限局して、炎症は骨や歯根膜に病変は見られない。ポケットの状態は、歯肉ポケット(仮性ポケット)である。次の2つに分類される。
1. 単純性歯肉炎
局所因子であるプラーク(歯垢)により歯肉に炎症が生じたもので、全身性因子は関与していない。
ほとんどの歯肉炎がここに含まれる。急性と慢性がある。
2. 複雑性歯肉炎
プラーク(歯垢)が初発因子で、全身性あるいは局所性の特殊因子が修飾している歯肉炎である。関与している修飾因子や症状から名前が付けられる。妊娠性歯肉炎、口呼吸性歯肉炎、フェニトイン性歯肉炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎などである。
治療法
プラークを取り、ブラッシングを丁寧に行うことにより改善される。関与している修飾因子が取り除かれれば軽減する。 -
2012年02月28日 火曜日
歯周病になった歯の暫間固定 天白区コンドウ歯科
暫間固定とは、歯がグラグラと動揺している時や歯周外科手術(フラップオペ等)の時などに、隣の歯どうしを何本か一緒に固定してを安定させることを言います。これによって歯とその周囲の組織が、物を噛む力やブラッシングに耐えられるようになります。
■ 暫間固定の目的は?
1. 歯の動揺を減少させる。
2. 咬合力や咀嚼力を分散させ,動揺歯に作用する力を生理的範囲内に収める。
3. 動揺歯の修復治癒を促進させるために,歯周組織の安静を確保する。
4. ぐらつきを抑えることにより,食片圧入を防止する。
5. 歯の移動を予防する。
6. 噛み合わせの機能や咀嚼機能を改善する。
7. 不快感や疼痛を除去する。
■ 暫間固定を行う時期はいつ?
1. 歯がぐらついて痛い時
歯周病のためにぐらついて、痛くて噛めないときには、すぐ行うと効果的です。固定することにより炎症も次第に安定して、腫れも引いてきます。
2. 歯周外科手術の時
歯周外科手術を行う場合、手術の前後の歯周組織を安定させて、手術に耐えられるように暫間固定をします。
3. 外傷の時
歯をぶつけて脱臼した場合も、動揺歯を固定して安定させます。
■ その方法は?
1. 接着性レジン(プラスチック)で歯の間をつなぐエナメルボナドシステムをします。
2. ワイヤーにより金属線結紮法をおこなう。
3. 連結冠による固定法をする。
■ 期間は?
暫間固定法の適応期間は,症例により大きな差異がありますが,一般的に最低1ヵ月は必要であり,経過観察を行い,6ヵ月を目安として行います。その後さらに必要なら永久固定として連結冠などを作成します。 -
2012年02月23日 木曜日
歯磨き
歯周病や虫歯の予防、口臭の予防には歯磨きが欠かせません。ハブラシの選択から磨き方の基本、普段気になっているお役立ち情報をお話しします。
A. どんなハブラシがよい?
ハブラシはその方のお口の中の状態、歯並び、磨く方法などにより決まります。詳しくは、歯科衛生士にご相談ください。と言ってまえば、簡単ですが、実際にどんな基準で選ぶかをお話します。
1) ブラシの硬さ・・・「ふつう」を選びます。一般に、固いほうが磨く効率が良い。しかし、力を入れすぎたり、大きく動かしたり、ハミガキ粉をつけすぎると歯や歯肉を痛める。歯肉に炎症があるときには、やわらかめのブラシを使い、治ってきたら普通のブラシに変える。
2) ブラシの大きさ・・・「小さめ」のほうが動かしやすい。成人に小児用のブラシは使いません。約21~24個のブラシの毛束があるものが大人用です。コンパクトでも密度が濃くしっかり揃っているものが良いです。
3) ブラシの形態・・・「ストレートでシンプル」なものが取り扱いやすい。山形だと一見当たりやすく思えますが、歯の大きさや歯の溝は、整然と揃ったブラシの山形には合っていません。カープになっていると当てやすい部分と当てにくい部分ができます。歯面への当て方、当てる方法をマスターすれば、ストレートでシンプルなものがコントロールしやすくなります。
B. 歯ブラシの持ち方は?
「ペングリップ」で持つ。鉛筆でものを書くときの持ち方で、3本指で持ち、「余計な力を入れず小刻みに動かします。」じゃんけんのグーの持ち方で握ってしまうと力が入りすぎて毛先が開き、かえって目的の部位に当たらず、かつ、周囲の歯や歯肉を痛めます。
この一般的なスクラビング法というのは、小刻みな動きの毛先磨きの方法なのです。
一方、ローリング法では、逆にグーで握ってブラシのクッションを利用して磨きます。
C. 歯磨き粉の量はどのくらいつけるもの?
「少なめ」にします。ブラシの長さの1/3程度でよいでしょう。歯磨き粉の中には研磨材が含まれるため、多すぎると歯を摩耗して傷つけてしまいます。また、つけすぎるとアワアワになり、的確にブラシを歯に充てるのが困難になり、爽快感だけが残り、磨けてないのに磨けた気分になってしまいます。液体の歯磨き粉やフッ素入りのものは用法に従ってください。
D. 歯の磨き方は?
磨く順番を決めて(例えば、左下奥歯の裏→下前歯の裏→右下奥歯の裏→左下奥歯の表・・・)1本1本順序良く丁寧に磨くことで磨き残しを防ぎます。
1) 表の表面部分は垂直にブラシを当てシャカシャカと小刻みに毛先が広がらないように動かして磨きます。その時、ハブラシの毛が歯の間にもしっかり入り込むように当てて、大きくは動かしません。
2) 奥歯の側は、歯と歯茎の境目に45度の角度で当てます。
3) 前歯の裏は、ブラシを前方に向かって掻き出すように動かします。
E. 歯磨きの時間は?
上記のような磨き方をすれば、1分で磨くのは難しいでしょう。3分以上を目安として磨きます。夜寝る前には時間をかけて磨きます。なぜかというと、夜は口を動かさず、唾液が少なくなり、お口の中が乾燥するため、虫歯菌や歯周病菌が繁殖するためです。
どうしても磨けないときは、最後にお口の中に停滞しないカリカリしたものを食べたり、水分などの食渣を洗い流してくれるものを取ります。
F. 一日何回磨く?
「毎食後に磨く」のが基本です。 スポーツ飲料やジュースを飲んだ後も、PHが低かったり砂糖を多く含むため、歯磨きをします。
G. 磨くタイミングは?
「食後すぐ」に磨きます。食物残渣が特に歯の間に詰まっていると歯肉を圧迫して歯周病を悪化させる原因にもなります。歯周病菌の繁殖をさせないように食後すぐに磨きましょう。歯の再石化の目的で30分以上おいてから磨くことを推奨する先生もいます。しかし、いつも磨いていればプラークのPHが下がることは気にしなくてもよいでしょう。食事をしているときは、唾液の緩衝能(中性に戻す力)があるので食事を終ると同時に磨くのが、もっとも効果があると思われます。また、習慣づけにもなります。 -
2012年02月18日 土曜日
Millerの歯の動揺度分類
歯周病の検査では、歯の動揺度を調べるのに、Millerの歯の動揺度の分類がよく用いられます。
Millerの歯の動揺度の分類
0度 : 生理的動揺の範囲
1度 : 唇舌方向にわずかに動揺
2度 : 唇舌方向に中等度、近遠心的にわずかに動揺
3度 : 唇舌、近遠心方向に 2 mm 以上の動揺、歯軸方向にも動揺
動揺に対する処置
動揺歯に対する処置としては、暫間固定や咬合調整を行います。
1. 暫間固定とは、動揺歯を一時的に連結固定することで咬合力を分散させ、歯周組織の安静とともに咬合の安定をはかることです。
2. 咬合調整をその後に必ず行うと良いでしょう。歯の動揺は咬合性外傷や支持組織の減少だけでなく、歯周炎の炎症自体によっても増悪されます。その場合は、スケーリング、ルートプレーニングなどで炎症を改善してから咬合調整を行います。
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