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2015年08月17日 月曜日
ブラッシングの練習時に歯磨剤が必要か
歯磨剤は、ブラッシングの練習時には使用しない方がむしろ良いでしょう。
その理由は、
1. 歯磨剤に含まれている香料により、プラークが十分に取れていなくても
爽やかな感じが得られ清掃できたと誤解しやすいのです。
2. 歯磨剤自体にはプラークを取り除く効果は少なく、常時使用すると
含有されている研摩材のために歯質が摩耗し、楔状欠損などが生じる危険性が高まります。
3. 歯磨剤の中に発泡剤が含まれており、唾液と混ざって口中に泡立ち、
すぐにうがいをしたくなり、清掃不十分なまま終了しやすいです。
従って、長時間丁寧にブラッシングするには、歯磨剤を使用しない方が良いのです。
4. ブラッシングが上達したら、ブラッシング終了後に歯磨剤を少量付けて
前歯の唇面を中心にブラッシングします。これは歯磨剤中の研磨材で
歯の表面に沈着した色素(お茶やコーヒーなどの食物や嗜好品の色素の沈着)を取り除くためです。 -
2015年08月10日 月曜日
エナメルマトリックス タンパク質(EMD)を用いた手術
エナメルマトリックス タンパク質(EMD)は、歯根形成期にヘルトヴィッヒ上皮鞘の
内エナメル上皮細胞が分泌するタンパク質で、象牙質表面に
セメント質の形成を促します。
歴史
Hammerstromらは、これを歯周外科時の根面に用いて
歯周組織とくにセメント質を誘導しようと考えて研究を行った結果、
セメント質だけではなく歯根膜、歯槽骨も再生する効果があることを
明らかにしました。
エムドゲイン
その後製品化され、商品名「エムドゲイン」となりました。
エムドゲインは、ブタ歯胚から抽出したエナメルマトリックス タンパク質です。
主なタンパク成分は、アメロジェニンで、他の成長因子も含まれており、
根面に付着して歯根膜細胞の増殖、アルカリフォスファターゼ活性および
硬組織形成活性を高める作用があります。 -
2015年08月03日 月曜日
フェニトイン増殖性歯肉炎(歯肉増殖)
てんかんの治療薬(抗痙攣薬)であるフェニトインphenytoinを服用している方に、
副作用として生じる増殖性歯肉炎です。
発生機序
しかし、フェニトイン服用者のすべてに発症するわけではなく、
プラークによって生じた歯肉の炎症にフェニトインによる線維増殖が合併し、
これが修飾因子となって生じます。
プラークを取り除いて炎症が改善すると、線維増殖も改善します。
歴史
歴史的にみると、フェニトインは1938年に抗てんかん薬として使用され、
Kimball(1939),Glickman(1941)により副作用として増殖性歯肉炎が
生じることが報告されました。
なお、歯科界ではダイランチンの名で呼ばれることが多いのですが、
フェニトインの米国での市販名で有名だったからです。 -
2015年07月27日 月曜日
萌出性歯肉炎とは
歯が萌出する時に見られる歯肉炎です。
原因
歯の萌出が直接の原因ではありませんが、
萌出途上では対合歯との咬合接触がないため、咀嚼による自浄作用が少なく、
プラークが堆積しやすいのです。
さらに萌出中はエナメル上皮が歯肉の内縁上皮となってエナメル質と接触しており、
上皮付着の部位が広く、これが歯面から剥離して深いポケットの状態になっている
場合もあり、炎症が生じやすいのです。
これと同様のことが、萌出中の第三大臼歯(親知らず)にも良く見られます。
治療法
病理学的には、単純性歯肉炎に属し、やわらかめの歯ブラシを用いた
丁寧なブラッシングで治ります。 -
2015年07月20日 月曜日
歯根膜で歯の寿命が決まる 名古屋のコンドウ歯科
歯根膜は歯と歯槽骨をつないで咬む力を緩衝するクッションの役割を果たし、
周囲の血管から栄養分や免疫細胞を供給して外敵から歯を守る
重要な役割を持っています。
歯根膜の拡大と狭小
歯根膜は、レントゲンで見ると透過性の高い黒い線として見えます。
この部分が拡大した場合、早期接触などによ外傷性咬合により歯槽窩に
骨吸収が生じた事が疑われます。
逆に、対合歯を失って咬合機能が低下すると、歯根膜腔は、
薄く狭い状態になります。
歯根膜と歯槽硬線
エックス線写真では歯根膜の黒い線と、歯槽硬線の白い線は、
歯根の形態と湾曲度、歯槽骨の厚さ、エックス線を移す方向により見え方が変化します。
咬合性外傷以外でも歯根膜腔拡大の像を示すことがあります。
例えば、歯内・歯周病変の合併時や根尖性歯周炎の排膿路となっている場合などです。
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