歯周病は糖尿病の第6番目の合併症です。
糖尿病のある人は、歯周病になりやすく、重症化しやすい。
歯周病がある人は、糖尿病の治療が困難になりやすい。

糖尿病に関するある研究機関の報告では、歯周病菌の細菌数を減らす治療をしたところ、それまで良くならなかったヘモグロビンA1c(過去1~2ヶ月の血糖値の状態を示す指標)が劇的に改善した人もいたのです。
さらに、歯周病が悪化すると、糖尿病の合併症である失明(網膜症)、手足の切断(神経症)の間接的な引き金になるとも言われています。
糖尿病は血液中にある阻害物質が増えることで、インスリンの働きが弱くなります。実は、歯周病により歯茎に炎症を起きると、この阻害物質が増えてしまう事が近年の研究からわかりました。これは、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う免疫細胞のマクロファージが、細菌と戦う時に阻害物質を出すからなのです。つまり、歯茎で歯周病菌とマクロファージが戦うと、マクロファージから阻害物質が放出され、インスリンの働きが阻害されて、糖尿病が悪化するというわけです。そして、この状態が続くと、糖尿病によって体の抵抗力が下がり、歯周病菌がますます増えるという悪循環に陥ってしまいます。
歯周病を治療、予防する事により、糖尿病も軽減できる可能性があるのです。