■ 質問
歯周病が進んでいて「抜歯しかない。」と言われました。今までに、何度か歯ぐきが腫れました。下の奥歯の根分岐部に病巣があるようです。
■ 答え
歯周病が原因で何度も歯肉の腫れを繰り返している場合、歯を支えている歯槽骨が溶かされて、そこに病巣を作っている場合がります。
「根分岐部病巣」と言います。奥歯で複数の歯根がある場合、その根の間に病巣を作ることがあります。歯ブラシが届かず、歯科医院のスケーラーという器具でもうまく清掃できない場合が多いので、一般に難治性で予後が悪いと言われています。
歯槽骨の残存度合などの程度により治療方法が変わります。
1. 歯根の間の骨が貫通していない場合
エムドゲインやGTR法による歯周再生治療骨移植ファーケーションプラスティー(歯冠~歯肉の移行形態を修正して清掃しやすいようにする)など。歯周外科によるフラップオペレーション(歯肉剥離掻爬術)が必要となります。歯肉を開いて歯石を取り、病巣を除去してきれいにします。
2. 歯根の間の骨が向こう側まで貫通している場合
歯根分割をして歯を2つにわけ、根分岐部にできた病巣をなくします。分割した歯根は間を広げてからつないでかぶせます。
トンネリング法といって歯の間をわざと広げて歯間ブラシが通りやすく清掃しやすい形態にします。
3. さらに歯槽骨が溶かされ、歯が上下に動く場合
歯が上下に動く場合は、歯根の先端まで骨が溶けて支えることができなくなった状態です。残念ながら抜歯です。