2015年04月27日 月曜日
歯髄疾患が歯周組織へ及ぼす影響
歯髄疾患や感染根管は、根尖孔、側枝、副根管、髄管を通して歯周組織に影響を与えます。
歯髄内の炎症性炎症性刺激物(内毒素など)や細菌が根尖孔や複根管を通って歯周組織に達し、
「根尖性歯周炎」を起こすことはよく知られています。
根尖性歯周炎により根尖部に歯周膿瘍が形成されると、
瘻孔(排膿路)は通常根尖相当部付近の歯肉や粘膜に形成されます。
しかし、症例によっては、排膿路が根面に沿って歯根膜の中を通って形成され、
歯肉溝や既に存在していた歯周ポケットに連絡することもあります。
臨床的には、この歯髄疾患由来の排膿路は、深い歯周ポケットと類似した状態を示し、
骨吸収を伴ったりして辺縁性歯周炎と類似します。
このような場合ポケットをプロービングすると根尖まで達するが、歯根面が
歯肉縁下プラークで汚染されている真の歯周ポケットとは異なります。
すなわち、その部の歯根面には、プラークの付着はなく、ほとんど汚染されていません。