2015年05月06日 水曜日
プロービングとポケットデプス
歯周ポケットの深さは、歯周病の診断において重要な役割があります。
しかし、炎症の存在によりこの数値の測定にバラつきが出てくることも事実です。
歯肉に炎症が強い場合、特に急性炎症時には、実際のポケット底部より
数mmも深く測定される傾向があります。
ポケットを測定するためにプローブをポケット内に挿入すると、
通常プローブはポケット底部に止まらずに、ポケットを形成する上皮を貫き
結合組織中に達していることが多く見受けられます。
特に、歯肉に炎症があるとこの傾向が強く現れます。
すなわちポケットに面する上皮やその下の結合組織に炎症があると、
上皮細胞の細胞間結合が弱く(時には潰瘍状態で上皮が断裂している)、
プローブは上皮を貫きます。
さらに結合組織も炎症性細胞(リンパ球やプラズマ細胞)が増加し歯肉線維が減少していると、
プローブはさらに結合組織に深く入ってしまいます。
しかし、炎症が軽い場合には、その深さは0.3mm程度の誤差であります。