歯の間の歯肉(歯間乳頭部)が痩せてできる隙間のことを
「ブラックトライアングル」と言います。
前歯の良く見える部位に隙間ができて目立ってくると深刻な悩みとなります。
原因
1. 歯周病
歯の周りの歯槽骨が溶けるとそれに伴って歯肉の量も減少して
隙間ができてきます。
2. 不適切な清掃
歯間ブラシやフロスを間の歯肉に押し当てたり、無理に挿入すると
その力により歯肉が下がってきます。
3. 食片圧入
歯の間に食物を詰まらせているとだんだん歯肉を押し下げる力となり、
丁寧に詰まった食物残さを除去しても元に戻らなくなってきます。
4. 無理な矯正歯科治療
重症な出っ歯や受け口で歯槽骨中心から外れて見かけだけで無理して移動すると
歯槽骨に覆われていない状態となり、ブラックトライアングルとなる場合があります。
また、歯周病の治療を十分受けずに歯の移動をする場合も起こります。
誘因としては、もともと歯肉や骨の量が少ない方に発生しやすいです。
5. 歯の間が虫歯になっている。
予防
1. 歯周病治療をする。
2. 歯科衛生士から正しいブラッシングの指導を受ける。
3. 矯正治療をする場合には、適応症と治療のゴール、
管理についてよく相談をしてからにする。
治療方法
程度が強い場合には、治療が困難な場合が多いです。
1. オールセラミッククラウンにより修復する。
軽度ならラミネートべニアクラウン、中程度ならオールセラミッククラウンにより
隙間をある程度補うことが出来ます。
2. ダイレクトボンディング
隙間をプラスチックで埋める方法です。歯をほとんど削らずに済みますが、
埋める量に限度があり、、強度が弱く変色してきます。
3. ヒアルロン酸の注入
間の歯肉にヒアルロン酸を注入して歯肉量を増やしますが、
吸収されてくるので長期間は持ちません。
4. 歯肉移植
一部分であれば効果が出る場合があります。しかし、
間の歯肉を盛り上げても吸収されて元に戻る場合が多いです。