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2016年05月09日 月曜日
付着歯肉の幅
付着歯肉は、歯肉溝またはポケット底部から歯肉歯槽粘膜境までの事を言います。
付着歯肉の役割
1. 口唇や頬の運動が、直接、辺縁歯肉や乳頭歯肉に伝達されるために生じる障害を防止する。
2. 十分にブラッシングが行えるように、口腔前庭の深さを確保するためにも重要です。
測定方法
臨床的付着歯肉は、(歯肉辺縁から歯肉歯槽粘膜境までの長さ)-(プロービングの深さ)
で求めます。
歯肉歯槽粘膜境は、頬や口唇を牽引したり、ヨード系溶液などを塗布して確認します。
付着歯肉の幅は歯種間で差が認められますが、
1~9mmの間に存在し、臨床的には3mm程度あるのが望ましいとされています。
付着歯肉の幅を獲得するする方法
歯周外科手術のうち、
1. 歯肉弁根尖側移動術
2. 遊離歯肉移植術
3. 結合組織移植術 などがあります。 -
2016年05月03日 火曜日
歯周病になると歯並びが乱れる?
歯周病が進むと歯並びが乱れ、以前良かった歯並びだが、
隙間が出来たり、飛び出してきたり、デコボコになったりしてくることがあります。
では、如何してこのようなことが起こるのでしょうか。
1. 病的移動
歯の移動は、健全な歯周組織に支えられている歯においては、
矯正治療に認められるような弱い矯正力を長時間加えることによって生じます。
しかし、歯周病に罹患すると、生理的な位置を保っているバランスが崩れ、
歯の移動が生じます。
このような移動を「病的移動」と言います。
病的移動を生じさせる因子は、
1) 歯周組織の支持力の低下や喪失
2) 歯に加わる異常な力
などが挙げられます。
2. 歯周組織の支持力の低下と喪失
歯周病による炎症や咬合性外傷によって歯槽骨が吸収し、
歯周組織本来の支持機能を発揮できずに、
生理的な咬合力が絶えず繰り返されることによって
歯の病的な移動が生じてきます。
症状は、上顎前歯では正中離開、前突、挺出などが重度の歯周炎で見られます。
歯の喪失により、傾斜、歯間離開、挺出、捻転などの歯の移動が起こります。
3. 歯に加わる異常な力
悪習癖などによって起こることが多く、
ブラキシズム、舌や口唇の習癖などによって生じます。
例えば、舌尖で前歯を押すと歯間離開や前突などの
歯の移動が起こります。 -
2016年04月25日 月曜日
歯の動揺を生じさせる因子
歯の動揺は、その疾患の程度を比較的よく表しており、
診断や治癒過程の判定に用いられています。
生理的歯の動揺
歯の動揺はその歯根膜の厚さ約0.2mmの範囲内で50~100μm程度の
生理的動揺を示します。
部位的にみると切歯部で最も大きく、大臼歯部で最も小さくなります。
生理的動揺は若年者のほうが高齢者よりより、
女性の方が男性よりも大きい。
動揺を生じさせる因子
a. 歯周組織の量的変化に起因する動揺
量的変化とは、深いポケットの形成や高度の骨破壊などの
歯周病の進行に伴う支持組織の破壊性変化によるものです。
その他の影響
妊娠時、疲労時、全身的疾患を有する場合、ストレスを受けている場合などに影響されます。 -
2016年04月20日 水曜日
歯槽骨の吸収
歯槽骨の吸収は炎症を伴う歯周病においては、
ポケットの形成とともにその疾患の程度を判定するうえで
重要な臨床所見となります。
歯槽骨頂部の吸収形態
1. 水平性骨吸収
X線写真上で両隣在歯のCEJを結んだ仮想線に対して
吸収した歯槽骨縁が平行に吸収している場合を言います。
多数歯にわたり歯槽骨頂の位置がほぼ均等に低くなっている状態で
どの歯にも同じ原因が同じように加わって生じるものと考えられています。
2. 垂直性吸収
X線写真上で両隣在歯のCEJを結んだ仮想線に対して吸収した歯槽骨縁が
角度をなしている場合を言います。
原因としては、プラークか゛主ですが、早期接触やブラキシズムといった外傷性咬合、
食片圧入などが合併して見られることもしばしばあります。
このタイプの骨吸収形態は、一か所に限局する異常な咬合圧が加わった時に生じます。 -
2016年04月11日 月曜日
歯周ポケットの深さの信用度
ポケットの深さは従来は、歯周炎の進行度を表す指標の一つとして
用いられてきました。
しかし、厳密な意味でポケットの深さは、疾患の程度、治療の改善度を
正しく表さないことが明らかとなり、現在ではアタッチメントレベルが
用いられています。
同じポケット4mmの深さでも、
a. 歯肉が増殖してセメントエナメルジャンクションまで2mm、さらに下に2mmの場合
b. セメントエナメルジャンクションより下に4mmの深さのポケットがある場合
c. 歯根が露出してセメントエナメルジャンクションよりかなり下に歯肉縁があり、
さらに下に4mmの深さのポケットがある場合
a,b,c,それぞれ同じ4mmの深さのポケットでも、歯周組織の破壊の程度を比較した場合、
a,b,c,の順に、つまりcが一番疾患が進行しています。
このようにポケットの深さだけで疾患の程度を表すのは無理です。
ポケットの深さは、常に一定の基準点から測定しているわけではなく、
歯肉縁という移動する点を基準点としているからです。
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