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    2015年10月12日 月曜日

    歯周病の再評価と治療計画の修正

    歯周病基本治療では、その原因であるプラークの除去を中心に行い、
    歯周病の進行を停止、さらに改善させることを目的として治療します。
    その後、治療効果や影響を評価して不十分なところを明確にし、
    次に必要とする治療処置を決定するために「再評価」をします。

    これを基に「治療計画の修正」を行います。
    再評価の目的
    1. 基本治療や各歯周治療によって生じた口腔内の変化、
    組織反応を調べ、治療効果を評価します。
    2. 改善した所と不十分な所を明確にして、最初に立てた治療計画を修正します。
    再評価の時期
    最初の再評価は、歯周基本治療終了時、口腔清掃が出来プラークスコア20%を維持、さらに
    スケーリング・ルートプレーニング等の歯周基本治療が終了して炎症の大部分改善してから行います。
    ポケット底部をキュレッタージした時には、組織の治癒を考慮して2週間以上経過後に
    行います。

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    2015年10月05日 月曜日

    咬頭嵌合位と筋安定位

    咬頭嵌合位
    下顎を安静位から意識せずに習慣的に閉じていき、上下顎の歯が
    最も緊密に安定して嵌合した時の咬合位で、中心咬合位とも呼ばれています。
    この咬合位は、咬合面形態によって大きく影響を受け、
    咬耗や抜歯、歯の移動、補綴処置などにより咬合面形態が変わると
    変化する可能性があります。
    機能的には咬合位の中で最も高頻度に咬合接触する位置であり、
    咬頭嵌合位の早期接触は、歯周組織をはじめ咀嚼系全体に
    大きな影響を与えます。
    筋肉位
    左右の咀嚼筋が極めてバランスのとれた活動をし、
    安定した状態で(片側のみ異常な筋活動をすることなどがない)、
    上下の歯が咬合接触する位置を言います。
    「筋安定位」「筋機能位」とも呼ばれ、健常者では咬頭嵌合位と一致しています。
    このことは咀嚼系を生理的に健康に保つのに大切であり、
    両者が一致しないとブラキシズムや機能障害を生じやすくなります。

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    2015年09月29日 火曜日

    ルートプレーニングが必要な理由

    スケーリング)は、歯面から歯石やプラークなどの付着物を
    取り除くことです。
    ルートプレーニングは、プラーク細菌によって汚染された表層の
    セメント質や象牙質を除去し、硬く滑沢な歯面を露出させる処置です。
    ルートプレーニングの目的
    1. ポケット内に露出した根面の汚染セメント質を除去し、
    歯周組織に対し生物学的に為害性のない根面にすることです。

    セメント質の表面にはプラークが付着し、細菌はセメント質表層部の凹部、
    裂溝、シャーピー線維の残存部などへ侵入します。
    セメント質中へ侵入した細菌は石灰化して歯石となりセメント質との境界は
    不明瞭になります。セメント質中に残留した細菌や内毒素は、歯肉の炎症を誘発したり、
    歯肉が歯根面へ付着するのを阻害します。
    2. 露出した粗造な根面を滑沢にしてプラークの付着を少なくするとともに
    プラークの除去を容易にします

    根面が粗造な場合はプラークが付着しやすくなります。
    エナメル質は固く滑沢なので歯石を取り除いただけで済みます。
    しかし、セメント質は外界に露出するとセメント質内に入り込んでいた
    シャーピー線維が切断されて露出し、極めて粗造な面となります。

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    2015年09月14日 月曜日

    固定式の修復物を歯周病の歯に

    歯周炎の初発因子がプラークであることが明らかとなり、
    咬合性外傷と炎症性は買いが区別されるようになって以来、
    従来部分床義歯でしか補綴できないと考えられてきた広範囲の欠損歯列に対しても、
    固定式のブリッジで治療が可能であることが報告されています。

    NymanとLindheらは、歯周病などにより支持力が著しく低下した場合、
    可撤式義歯より固定式ブリッジの方が残存歯を固定する作用があり、
    しかも咬合力を調整分配できるので有利であるとし、
    少数支台歯のブリッジ(全顎にわたるブリッジ)の10年以上の長期症例を発表しています。
    この場合大切なのは次の点です。
    1. 支台歯の歯周組織が歯周病治療により健康を回復しており、
    今後もプラークコントロールを中心とするメインテナンス治療が行われる。
    このためには、清掃性の良い修復物を作ることが大切です。
    2. Nymanの失敗例への検討から、ブリッジの生物物理学的性質を考え、
    咬合力が加わった時ブリッジの各部分に歪みが生じないように製作することです。
    すなわち、メタルには十分な厚みを持たせ、歪みが生じないようにします
    歪みが生じるとブリッジ自体の破損や合着に用いたセメントの破壊を引き起こし、
    予後不良となります。
    3. 支台歯の維持装置の維持力をできるだけ強くする必要があります。
    維持力の強化の面からは全部被覆冠が部分被覆冠より適しており
    歪みも部分冠の方が発生しやすいです。

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    2015年09月07日 月曜日

    歯周病治療計画の修正

    初診時と再評価時の検査結果を比較検討して、どの程度の治療効果が
    出たかによって治療計画を修正します。
    そして次に行う修正治療の計画、或いはメインテナンスへの方法を
    検討します。
    どのような事を重点的に評価するかを列記します。
    1. 口腔清掃が不十分で歯肉に発赤など炎症がある部位
    再基本治療を行います。
    清掃が不十分になる原因を検討して、再ブラッシング指導(モチベーションの強化も含む)、
    再スケーリング・ルートプレーニングを行う。
    歯列不正や付着歯肉の狭小などの修飾因子が原因と考えられる場合には、
    それらに対する改善処置を計画します。
    2. 肉眼上歯肉の炎症が歯肉が4mm以上の部位
    歯周外科の必要性を検討します。できるだけ歯周組織の再生(アタッチメントゲイン)を
    狙います。
    3. 根分岐部病変の再評価
    根分岐部の位置が歯冠寄りか、口腔へ露出しているか、歯肉で覆われているかを判断します。
    さらに水平方向と垂直方向(根尖方向)のプロービングの深さ、根分岐部の骨破壊の程度などから
    次に行う処置方針を決定します。
    4. 歯の動揺度が改善されていない部位
    歯の動揺を大きくしている原因、改善されない原因を検討して、固定の必要性を決めます。
    5. 欠損部の補綴処置
    支台歯となる歯の歯周組織の改善状態を見て計画の修正をします。

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