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2012年09月24日 月曜日
細胞シートによる歯周再生
細胞シートとは、現在注目を集めている再生医療の一つで、自分自身の細胞から作るため、拒絶反応や感染の危険性も低い移植ができるという特徴を持っています。
歯周組織再生シートは、株式会社セルシードによって製品開発がすすめせれています。
歯周病によって失われた歯周組織の再生を目的として、現在、共同研究が行われており、臨床研究開始へ向けた準備が進められています。
■ 歯周組織再生シートの特長
歯周病は歯周病原性細菌が初発原因の炎症性の疾患です。歯を支えている歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)がだんだん破壊されていく疾病で、歯を失う大きな原因になっています。
既存の治療法は病原因子の除去を主体としたものであり、歯周組織の再生までは困難とされてきました。そこで、
自分自身の親知らずなどから採取した健全な歯根膜細胞等を原料として作製した歯根膜細胞シート(歯周組織再生シート)を歯周病患部に貼付することによって、歯周病で失われた歯根膜組織の再生を促進するというものです。
歯根膜は、歯の根と歯槽骨をつなぐ組織です。この歯根のセメント質と、歯茎双方の再生に関わる歯根膜細胞を原料としてします。 -
2012年09月17日 月曜日
口臭の原因になる歯周病
口臭は、約90%が口腔内に原因があると言われています。その中でも、歯周病が大きなウエートを占めています。
歯周病菌は、空気が嫌いな菌が多く、歯の間や歯周ポケットの中で増えて口臭を発生する原因となります。歯の間の食べかす、口腔内の代謝によって剥がれ落ちた上皮、血液の成分などのタンパク質が、口腔内の細菌によって、分解されることによって口臭の原因であるメチルメルカブタン、硫化水素、ジメチルサルファイド などの物質を発生させます。■ 口臭の原因
1. 生理的口臭
誰にでもあるもので、朝起きた時やお腹が空いている時、緊張している時などは、お口が乾燥しているため、普段口臭がない人でも口臭が強くなることがあります。加齢や睡眠不足、ストレスなどによって唾液の分泌量が少なくなるとお口の中の細菌が増殖して臭いのもとになる原因物質を作り、口臭となります。
2. 病的口臭
口腔内の疾患・・・歯肉炎、歯周炎、重度の虫歯、口内内の炎症、舌苔などが原因しています。
全身疾患・・・耳鼻科疾患(鼻炎、副鼻腔炎)、消化器疾患(胃潰瘍)、呼吸器疾患などや、糖尿病、高熱疾患などで起こります。
自分自身では治せないので、病院へ行きましょう。
3. 外因的口臭
臭いが強い食べ物(ニンニクやニラなど)を食べた時、タバコやお酒なども口臭の原因になります。 -
2012年09月10日 月曜日
歯茎が痩せてきて、少し歯がぐらつきます。
■ 質問
歯茎が痩せてきて,少し歯がぐらつきだしました。何か良い方法はないでしょうか。■ 考えられる原因
1. 歯周病
歯磨きの時に出血したり、歯肉が赤く腫れている様であれば歯周治療が必要になってきます。
2.強すぎるブラッシング
間違った方法での歯ブラシ、例えば、ブラッシングの時に力を入れ過ぎたり、ロングストロークにし過ぎたり(大きく動かし過ぎ)、歯間ブラシを無理に通したりなどが考えられます。ブラッシングの時に力が強いと歯肉への刺激が大きく、そのせいで歯肉が下がってきます。
3. 咬み合わせの影響
その歯だけ強く咬み合わせが当たっている場合、歯茎が痩せて歯根が見えてきます。また、歯軋りなどで極度な力が加わった場合も影響が出ます。
4. 歯列矯正をしている人は、歯が動いたことが原因だったりすることもあります。
5. 加齢により歯肉が退縮してきます。■ 歯肉痩せの回復方法
まず原因がはっきりしていれば、その原因を取り除くことが大事です。
正しいブラッシングの方法をマスターしましょう。
1. 歯周外科
歯周病で骨まで減っていれば歯周再生療法で、エムドゲイン法、GTR法、骨造成などを行います。
2. 歯肉移植
歯ぐきのボリュームが足りない場合には、歯ぐきの移植や結合組織の移植などが考えられます。ただし、重度の歯周病や、原因が除去できない場合などは移植が不可能です。 -
2012年09月03日 月曜日
糖尿病が歯周病を進行させる原因
糖尿病と歯周病が深い関係にあることは、最近話題になっています。では、なぜ糖尿病が歯周病を進行させるのでしょうか?
そのメカニズムの一部が明らかになってきました。
■ 糖尿病が歯周病を進行させるメカニズム ■
1. 血管壁の変化
末梢血管などの血管壁が、退行性変化や基底膜の肥厚を生じ、栄養や酸素の供給が低下することにより歯周病が悪化する。
2. 生体の防御機構の変化
糖尿病の特徴である血管系の異状により、歯周組織の防御機能の中心的役割をする好中球の機能が低下する。
3. 口腔内、特に歯肉縁下の細菌叢の変化
MashimoらGencoグループは、糖尿病患者の中でも若年性(インシュリン依存性糖尿病)で歯周炎に罹患しているものでは、Aggregatibacter actinomycetemcomitansやCapnocytophagaなどの為害性の強い菌が多く、いわゆる若年性歯周炎と類似した細菌叢を形成している。
成人のインシュリン非依存性糖尿病では、成人(40歳以降)の重度歯周炎患者に見られるPrevotella intermediaやPorphiomonus gingivalisが多く、これらの細菌の存在が高度な歯周組織の破壊に関与している。 -
2012年08月28日 火曜日
ストレスと歯周病
ストレスは、歯周病を悪化させるリスクファクターとして働きます。
ストレスは、種々の症状や疾患の原因になることが知られていますが、歯科では、急性壊死性潰瘍性歯肉炎ANUGとの関係が注目を浴びています。また、心理・社会的ストレスと歯周病の関係について調査が行われ、両者間に相関関係があると報告されています。
■ 歯周病とストレスとの関係
1. ストレスは歯周病治療の効果を低下させ、メインテナンスを困難にするリスクファクターになります。
2. ストレスはブラキシズムを誘発して、歯周組織に咬合性外傷を引き起こします。
3. 脳下垂体から副腎皮質ホルモンが分泌され、免疫力が低下します。
4. 自律神経に働き、交感神経の亢進による血液循環の悪化や唾液量の減少が生じます。
5. 一方、歯周病は、その症状(歯肉の腫れ、疼痛、出血、口腔内の不快感、歯の動揺、咀嚼障害など)により、ストレスの原因になります。
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