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    2015年09月29日 火曜日

    ルートプレーニングが必要な理由

    スケーリング)は、歯面から歯石やプラークなどの付着物を
    取り除くことです。
    ルートプレーニングは、プラーク細菌によって汚染された表層の
    セメント質や象牙質を除去し、硬く滑沢な歯面を露出させる処置です。
    ルートプレーニングの目的
    1. ポケット内に露出した根面の汚染セメント質を除去し、
    歯周組織に対し生物学的に為害性のない根面にすることです。

    セメント質の表面にはプラークが付着し、細菌はセメント質表層部の凹部、
    裂溝、シャーピー線維の残存部などへ侵入します。
    セメント質中へ侵入した細菌は石灰化して歯石となりセメント質との境界は
    不明瞭になります。セメント質中に残留した細菌や内毒素は、歯肉の炎症を誘発したり、
    歯肉が歯根面へ付着するのを阻害します。
    2. 露出した粗造な根面を滑沢にしてプラークの付着を少なくするとともに
    プラークの除去を容易にします

    根面が粗造な場合はプラークが付着しやすくなります。
    エナメル質は固く滑沢なので歯石を取り除いただけで済みます。
    しかし、セメント質は外界に露出するとセメント質内に入り込んでいた
    シャーピー線維が切断されて露出し、極めて粗造な面となります。

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    2015年09月14日 月曜日

    固定式の修復物を歯周病の歯に

    歯周炎の初発因子がプラークであることが明らかとなり、
    咬合性外傷と炎症性は買いが区別されるようになって以来、
    従来部分床義歯でしか補綴できないと考えられてきた広範囲の欠損歯列に対しても、
    固定式のブリッジで治療が可能であることが報告されています。

    NymanとLindheらは、歯周病などにより支持力が著しく低下した場合、
    可撤式義歯より固定式ブリッジの方が残存歯を固定する作用があり、
    しかも咬合力を調整分配できるので有利であるとし、
    少数支台歯のブリッジ(全顎にわたるブリッジ)の10年以上の長期症例を発表しています。
    この場合大切なのは次の点です。
    1. 支台歯の歯周組織が歯周病治療により健康を回復しており、
    今後もプラークコントロールを中心とするメインテナンス治療が行われる。
    このためには、清掃性の良い修復物を作ることが大切です。
    2. Nymanの失敗例への検討から、ブリッジの生物物理学的性質を考え、
    咬合力が加わった時ブリッジの各部分に歪みが生じないように製作することです。
    すなわち、メタルには十分な厚みを持たせ、歪みが生じないようにします
    歪みが生じるとブリッジ自体の破損や合着に用いたセメントの破壊を引き起こし、
    予後不良となります。
    3. 支台歯の維持装置の維持力をできるだけ強くする必要があります。
    維持力の強化の面からは全部被覆冠が部分被覆冠より適しており
    歪みも部分冠の方が発生しやすいです。

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    2015年09月07日 月曜日

    歯周病治療計画の修正

    初診時と再評価時の検査結果を比較検討して、どの程度の治療効果が
    出たかによって治療計画を修正します。
    そして次に行う修正治療の計画、或いはメインテナンスへの方法を
    検討します。
    どのような事を重点的に評価するかを列記します。
    1. 口腔清掃が不十分で歯肉に発赤など炎症がある部位
    再基本治療を行います。
    清掃が不十分になる原因を検討して、再ブラッシング指導(モチベーションの強化も含む)、
    再スケーリング・ルートプレーニングを行う。
    歯列不正や付着歯肉の狭小などの修飾因子が原因と考えられる場合には、
    それらに対する改善処置を計画します。
    2. 肉眼上歯肉の炎症が歯肉が4mm以上の部位
    歯周外科の必要性を検討します。できるだけ歯周組織の再生(アタッチメントゲイン)を
    狙います。
    3. 根分岐部病変の再評価
    根分岐部の位置が歯冠寄りか、口腔へ露出しているか、歯肉で覆われているかを判断します。
    さらに水平方向と垂直方向(根尖方向)のプロービングの深さ、根分岐部の骨破壊の程度などから
    次に行う処置方針を決定します。
    4. 歯の動揺度が改善されていない部位
    歯の動揺を大きくしている原因、改善されない原因を検討して、固定の必要性を決めます。
    5. 欠損部の補綴処置
    支台歯となる歯の歯周組織の改善状態を見て計画の修正をします。

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    2015年08月31日 月曜日

    歯周病に悪影響を与える口腔内環境因子

    プラークなどに含まれる細菌などによる初発因子によって生じた歯周組織病変を修飾し、
    増悪させる局所的な口腔内の因子があります。すなわち、
    口腔内の先天的な解剖学的形態異常、および後天的に生じた形態異常や
    口腔内環境の変化により、口腔の清掃を困難にし、プラークを増加させる因子です。

    それには次のようなものがあります。
    1. 歯石
    プラークが石灰化したもので、内部に有害な物質(エンドトキシンなど)を含むとともに、
    表面が粗造なためプラークが付着増殖しやすく、さらに取り除きにくくなります。
    歯石は最も重要な局所修復因子の一つです。
    2. 歯列不正
    叢生や歯軸が傾斜した歯は、自浄作用、清掃率ともに低下します。
    3. 口呼吸
    口で呼吸すると口腔内が乾燥するため、プラークが歯面に強くこびりついた状態と
    なります。唾液による自浄作用の低下や乾燥による歯肉の抵抗力の低下なども
    加わります。前歯の唇面と、上顎の口蓋側の歯肉が最も影響を受けやすくなります。
    4. 歯冠と歯根の形態不良
    歯冠の歯頚部豊隆が異常に大きかったり、歯冠や歯根の表面に裂孔裂孔が走っていると
    その部の清掃が困難になります。
    5. 歯肉の形態不良
    歯肉が腫脹していると歯頚部の自浄作用が低下するとともに、
    ブラッシングによる清掃が不良になりやすいです。
    逆に歯肉が退縮した場合にも清掃が難しくなります。
    6. 付着歯肉の狭小、口腔前庭の狭小
    付着歯肉あるいは角化歯肉の幅が狭い場合や口腔前庭が浅い場合には、
    ブラッシング時に口腔粘膜を傷つけやすくなります。
    7. 小帯の異状

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    2015年08月24日 月曜日

    歯周治療における矯正治療の目的

    歯周病治療において、歯並びが悪く清掃が難しい場合には、状態の改善が難しくなります。
    そこで矯正治療が考えられますが、そのほかにも目的があります。
    目的
    1. 歯周組織の炎症の改善(口腔清掃性の改善、炎症性因子の除去)
    1). 歯列不正により清掃性が困難になっている隣接面や歯頚部の清掃を容易にする。
    2). 口呼吸を改善し、プラークの増加を防ぐ。
    3). 補綴物の清掃性を向上させる。
    2. 咬合性外傷の改善(外傷性咬合の除去)
    1). 側方力の減少(歯軸の改善)
    2). 舌・口唇の悪習癖の改善
    3). 強い早期接触の改善
    4). 不働歯を咬合に参加させる
    5). 食片圧入の防止、接触点の回復・強化
    6). 永久固定を容易にする。
    3. 審美性の改善
    1). 前歯の離開および前突の改善
    2). 前歯の高度叢生、歯軸傾斜異常の改善
    3). 支台歯の移動によるポンティックの形態改善
    4. 歯周組織の再生

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