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2015年12月21日 月曜日
歯周炎で歯肉はどうなる?
歯周炎の進行とともに、プラーク中の有害物質が歯肉へ侵入して
歯周ポケットが形成され、深くなっていきます。
炎症性細胞の出動
歯肉の炎症に伴い、歯肉の血管の浸透性が高まり、
好中球、リンパ球、プラズマ細胞が浸潤してきます。
それらの細胞は本来、生体の防御機構の役割を果たしています。
好中球やマクロファージによる貪食作用や、リンパ球、プラズマ細胞による
抗体産生などが行われ、歯肉中に侵入してきた有害物質を破壊します。
炎症性細胞は両刃の剣
これらの炎症性細胞は防御機構を持っていますが、
逆に細胞内へ取り込んだ異物を分解するはずのリソゾームなどの
分解酵素を細胞外へ放出して、コラーゲン線維などの組織を破壊して
炎症を強める作用を持っています。
歯肉線維の減少・消失
炎症性細胞の浸潤と浸出液の増加に伴い、
歯肉のコラーゲン線維は破壊され、減少・消失していきます。 -
2015年12月14日 月曜日
動揺歯の固定法
固定法の目的
重度の動揺歯など強い咬合性外傷が生じている歯を
安静にさせて、その間に咬合性外傷の治癒を図ったり、
歯周基本治療や歯周外科などの治療効果を高めて、
歯周組織の回復をします。
1. 歯を削合しない固定方法
ワイヤー結紮レジン固定法
0.25~0.30mmのステンレス線で歯を結紮して、
即時重合レジンで補強する方法です。
接着性レジン固定法
エナメルボンディングレジン固定法と言われ、
接着剤の発達によりよく用いられるようになりました。
2. 歯質を削合して行う固定法
A-sprint
歯面に連続インレー窩洞を形成してそこにワイヤーと
レジンを組み合わせて充填し、連結する方法です。
レジン製の冠やアンレーによる固定
永久固定を前提として支台歯形成を行い、
レジン製の冠やアンレーを製作して連結する方法です。
3. 可撤式床固定法
ホーレータイプ床固定法、オクルーザルスプリントなどの
方法があります。 -
2015年12月07日 月曜日
歯周治療の進め方
歯周治療でよい結果を出すには、歯周病の原因とリスク因子を丁寧に診査して、
現在の歯周組織の消失状態を正確に把握することから始めます。
特に、歯周炎の原因とその予防方法を分かりやすく説明して、
プラークコントロールを良くすることが大事です。
1. 歯周治療の動機づけと計画立案、十分な説明と理解
歯周治療の重要性を認識して頂くところから始めます。
2. 歯周基本治療
歯周基本治療は、歯周病の最大の原因であるプラークを減少させて
炎症を軽減し、歯周病の進行を阻止することが目的です。
その為には、適切な口腔清掃が重要になります。
さらに口腔清掃の妨げになるリスク因子である歯石除去、
不良修復物の除去等が必要になります。
3. 再評価、治療計画の修正
歯周基本治療が終了して、再び歯周組織検査を行うことにより、
治療の効果とこれからの治療方針の修正を行います。
もし、歯周ポケットの改善が思わしくない場合には、
歯周外科などの処置も考慮します。
改善がうまくいけばメインテナンスに移行します。 -
2015年11月30日 月曜日
歯の動揺度が強くなる時
歯周病で歯の周囲の組織が失われると、歯の動揺度が強くなってきます。
しかし歯が動揺してくるのは、他の原因も考えられます。
歯の動揺の原因
1. 歯周病
健康な歯でも多少の動揺はありますが、歯周病が重度であるほど動揺度は大きくなってきます。
すなわち、健康な場合には、歯根膜というクッション分だけ生理的な動揺があります。
一方、歯周組織の喪失という病的な要素が加わるとグラつきがだんだん大きくなってきます。
特に急性炎症がある場合、グラつきが強くなります。
2. 矯正治療
歯並びを整えるために、歯の移動を行うと動揺が強くなります。
これは、歯の移動の際に周囲の歯槽骨を一時的に溶かして移動するためです。
3. 歯の破折
歯根部に歯の破折がある場合は、今まで良かったのに急に動揺が出てきます。
噛み合わせたと同時に痛みが出るのも特徴です。
4. 脱臼
外傷により歯が歯槽から飛び出すと動揺が強くなります。
5. 根尖病巣
根元に病巣が出来、そこに炎症が起こると歯が動揺します。
レントゲンで根尖部に透過像が見られます。
6. 生理的な歯根吸収
乳歯が永久歯に生え変わる時、歯根が溶けてだんだん歯が動くようになります。 -
2015年11月23日 月曜日
付着歯肉の幅と清掃性
付着歯肉の幅とは、角化歯肉の幅(歯肉辺縁から歯肉粘膜境までの距離)から
歯周ポケット(または歯肉溝)の深さを引いた値のことです。
幅の目安
歯肉退縮や小帯の発達により付着歯肉の幅が1mm以下になると通常
ブラッシングによる清掃が難しくなり、歯周の健康を保つのに不利となります。
ただし、1mm以下でも口腔清掃の方法次第では、健康を保てる場合もあるので、
歯周外科に移行する必要性の判断は慎重にします。
付着歯肉の幅は部位により異なる
正常な場合でも幅はかなり異なります。
上顎切歯、特に側切歯は最も幅が広く、3~5mm
下顎犬歯、第二大臼歯は狭く、1~2mm
歯肉粘膜境の判定
1. 肉眼的には、
歯肉は表面が角化し薄いピンク色、
歯槽粘膜は角化していないため、血管が透けて見えるので赤色
歯肉に炎症がみられる場合には判定しづらい。
2. 引っ張り検査
口唇や頬粘膜を手で引っ張ると粘膜は可動性があるため引っ張られて動く。
付着歯肉は動かない。
3. ヨードグリセリン塗布
粘膜は茶褐色に染まる。
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