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2015年11月16日 月曜日
糖尿病と歯周病
糖尿病患者は歯周病になりやすく、さらに歯周病を悪化させることが
これまでの研究で示されています。
すなわち、「糖尿病は歯周病のリスクファクター」です。
一方、最近は歯周病が糖尿病に与える影響について研究が行われ、
歯周病が糖尿病を悪化させ、「糖尿病のリスクファクター」となる可能性が
高いことが示されています。
歯周病と糖尿病は双方向性に影響があります。
糖尿病が歯周病に与える影響
a. 糖尿病になると歯周病になりやすい
1型糖尿病 フィンランドと日本の研究では、健常者より歯周病患者が多い。
2型糖尿病 米国ピマインディアンの調査では、糖尿病の発生率が2.6%高い。
b. 糖尿病は歯周病を悪化させる
糖尿病の罹患期間が5年を超えると、非罹患者に比べアタッチメントロスが大きく、
2型糖尿病患者では2年後に骨吸収が多い。
さらに血糖コントロールが悪いと骨吸収のリスクがより高い。
一方、血糖コントロールが良いと、歯周炎のリスクは
健常者と差がないと報告されています。 -
2015年11月09日 月曜日
歯周病の病状安定とSPT
サポーティブ ペリオドンタル セラピーSPT(supportive periodontal therapy)とは、
「歯周病安定期治療」のことです。
中等度以上の歯周炎の治療が終了し、病状が安定した状態を維持するために行う
継続的な歯周治療のことです。
SPTの適用となる中等度以上の症状とは、
1. 骨吸収が根の長さの3分の1以上
2. 歯周ポケットが4㎜以上
3. 根分岐部病変(軽度を含む)を有する
病状安定とは
歯周組織の多くの部分は健康だが,一部分に病変の進行が停止し病状が
安定している状態です。しかし、
深い歯周ポケット、・根分岐部病変の残存、歯の動揺が認められる状態です。
SPTの治療内容
プラークコントロール、 咬合調整、 機械的歯面清掃、スケーリング、SRP
などが主体となります。 -
2015年11月02日 月曜日
根分岐部病変の診査ポイント
根分岐部病変は、歯周病病が多根歯の根分岐部に及び、
根分岐部の歯周組織が破壊され、根面がポケット内に露出して
プラーク細菌に汚染されている状態です。
根分岐部の診査
1. 湾曲した形状のファーケンションプローブを使用して水平的、
垂直的なポケットの深さを図ります。
2. 上顎大臼歯では、歯根が重なって判別しにくいためにエックス線画像診断による
検査が困難なことが多いので、エックス線用プローブを
使用することもあります。
3. 根分岐部の根面には裂溝や小窩が存在し、セメント質の形成不全も
存在することがあるために歯周病変が生じやすいので、レントゲン診査だけで
判断しないようにします。
4. 根分岐部病変のできやすい場合は、解剖学的にはエナメル質の分岐部への侵入、
エナメル象牙境から分岐部までの長ささが短い場合、小帯が発達している、
付着部が少ない場合などです。 -
2015年10月26日 月曜日
血液疾患が関与する歯周炎
血液疾患が関与する歯周炎についてお話しします。
好中球減少症(無顆粒細胞症、顆粒球減少症)
血液中の多形核白血球が周期性や急性・慢性に減少する疾患で、
薬物中毒や突発性に起こり、細菌に対する抵抗力が弱く、
短期間で重度の歯周炎になります。
若年者に見られ、若年者の侵襲性歯周炎(若年性歯周炎、全身的に健康)と
区別する必要があります。
治療法は、プラークコントロールに重点を置き、歯肉縁下のスケーリング、
ルートプレーニングを併用し、歯肉に接するプラークを徹底的に減らすことが大切です。
白血病
白血病性歯周炎は、急性の場合(特に急性単球性白血病)は、
出血性の歯肉増殖を生じやすくなります。
治療に当たっては、内科医と協議して行います。
出来るだけ局所因子を取り除くことが大切です。
その他
慢性白血病、紫斑病、血友病の場合には、
歯周組織に特別な障害は引き起こさないと言われています。 -
2015年10月19日 月曜日
歯周の治癒形態
ポケット内部の歯根面に付着している歯石やプラークを取り除いた後、
露出根面が再び付着する形態には、「上皮付着」と「結合組織性付着」の2種類があります。
ひとたびポケットの形成などにより口腔内に露出した根面へ歯周組織が再び
付着する場合、ほとんどは結合の弱い「上皮性付着」です。
上皮性付着が多い理由
プラークが付着した根面は、スケーリング、ルートプレーニングして生物学的に
汚染されていない状態にした場合、歯周組織が再び付着する可能性があります。
しかし、ポケット内に露出した根面では、すでにセメント質は壊死し、
生きた線維の付着がないため、歯肉弁を戻し結合組織を根面に密着させても、
セメント質の再生は生じにくく歯根表面に線維が埋入された結合組織性付着は
ごくわずか生じるのみです。
通常は、歯肉上皮が根面に沿って増殖し、長い上皮性付着が形成されます。
結合組織性付着が生じる場合
根面に付着している線維が残っている場合には、
結合組織性付着が生じる可能性があります。
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