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2011年08月23日 火曜日
歯周炎
歯周炎とは、炎症が歯肉だけではなく、さらに深部の歯槽骨にまで進んだものを言います。
歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎がさらに進み、歯を支えている歯槽骨にまで破壊が進むため、歯がぐらぐらしてきて、歯が長く出っ歯に見えるようになります。歯周ポケットは深くなり、さらに歯周病菌がたまり易くなり、口臭も強くなります。歯周炎の症状
1. 歯肉が、ぶよぶよと腫れ、退縮(歯肉がやせる)する。
2. ブラッシングで出血や膿がでる。
3. 歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。
4. 歯肉が退縮して、歯が長く見える。出っ歯になる。
5. 炎症はさらに進み、ポケットは深くなり 深部の歯垢中の細菌は毒性が強く骨(歯槽骨)を破壊し、溶かす。
6. 歯がぐらぐらになり、やがて抜ける。歯周炎治療
1. プラークコントロール
2. スケーリング&ルートプレーニング
3. 不適合な詰め物かぶせ物のやりかえ、連結冠
4. 噛み合わせを治す
5. 歯ぎしりの治療
6. 薬による歯周内科の治療
7. 歯周外科、歯周再生療法
8. 生活習慣、食生活の改善 -
2011年08月22日 月曜日
歯肉炎
歯肉炎とは、プラークなどが原因で、歯肉に炎症が起こる症状で歯周病の中で初期の段階のものです。
歯肉に炎症が起きて赤くは腫れたり、出血したりしますが、まだ歯槽骨までは影響が及んでいません。特に痛みがないため気づかれないことが多いようです。また、歯肉炎が起こると同時に歯と歯肉の間にある溝(歯周ポケット)が深くなります。歯周ポケットが深くなると空気が少なくなるため、毒性の強い細菌が繁殖するため、炎症が広がり進行していきます。
この状態を放置して、歯槽骨まで影響が及ぶ「歯周炎」になると元に戻りません。
まだ歯肉炎なら、歯垢や歯石の除去とプラークコントロールなどで回復する事が出来ます。適切な治療と正しいブラッシングを行いましょう。歯肉炎の種類
1. 単純性歯肉炎
2. 複雑性歯肉炎
3. 妊娠性歯肉炎
4. 急性壊死性潰瘍性歯肉炎
5. 慢性剥離性歯肉炎 -
2011年08月20日 土曜日
歯周病と全身疾患との関係
歯周病は糖尿病、心疾患をはじめ様々な全身疾患との関連性が報告されています。 歯周病を引き起こす細菌が、肺炎や細菌性心内膜炎を 起こし、さらに血栓を作り脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。妊産婦では、早産、低出生体重児の危険があります。近年、糖尿病との関係が非常に深い事もわかってきました。
1. 糖尿病
歯周病も糖尿病も、どちらも生活習慣病であり血管の障害や免疫の低下をもたらします。糖尿病が歯周病を悪化させることは以前から報告されてきましたが、現在では、歯周病が糖尿病を悪化させるという、相互の影響が指摘されています。また、歯周病の治療を行い、プラークコントロールがしっかりしてくると、血糖値が下がることもわかってきました。2. 細菌性心内膜炎
お口の中の歯周病原菌は組織に対して付着能力も高いものもあるため、心臓の弁やその周囲に感染して心膜炎を起こす危険が高くなることが報告されています。3. 誤嚥性肺炎
高齢者、特に寝たきりの方など体力が減弱している人は、嚥下機能も弱っているため誤嚥を起こし、歯周病原菌などが肺に進入して肺炎を起こす危険が高くなります。 この誤嚥性肺炎の病巣から歯周病原菌が検出されています。4. 動脈硬化
歯周病の原因となる細菌の毒素が、血流に乗って血管に作用し動脈硬化を引き起こします。5. 早産、低体重児
歯周病に罹患している部位から、毒素や炎症性物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどして低体重児出産や早産のリスクが高まることが明らかになっています。母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるとも言われています。 -
2011年08月19日 金曜日
歯周病菌
歯周病菌などが原因で歯周病は引き起こされます。他の感染症のように1種類の細菌が悪さをして病気を引きおこすのではなく、歯周病の発症には複数の細菌が関与しています。
お口の中には300~500種類の細菌が住みついています。その中で歯周病を起こすような細菌は10種類以上見つかっています。
歯周病は、嫌気性菌(酸素の無いところを好む)が発生の原因で、症状の進行に強く関与していると言われています。Pg菌 Porphyromonas gingivalis (P.ジンジバリス)
強い悪臭を放つ歯周病菌です。名前は、歯肉(gingiva)に由来します。歯肉を構成するコラーゲン組織を分解したり、白血球がもつ細菌を食べる作用(貪食作用)や殺菌作用を弱める酵素をもちます。さらに免疫担当細胞のコミュニケーションのために働くサイトカインを分解することによる免疫撹乱作用があります。また、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)をもちます。Td菌 Treponema denticola (T.デェンティコラ)
歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が深くなると爆発的に増殖し、歯が全くなくなるまで住み着く歯周病菌です。歯周病が進行すると歯肉の中に入り込み、歯周病の症状を急激に悪化させます。タンパク分解酵素により組織を障害すると考えられています。Tf菌 Tannerella forsythensis (T.フォーサイセンシス)
名前はアメリカ・フォーサイス歯学研究所(Forsyth Dental Center)のターナー(Tanner)という研究者が報告したことに由来します。歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)に生息します。Aa菌 Aggregatibacter actinomycetemcomitans (A.アクチノマイセテムコミタンス)
この菌は、数的には非常に少ないタイプです。進行性の歯周病によくみられる歯周病菌です。歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)を持っています。Pi菌 Prevotella intermedia (P.インターメディア)
一般的で誰もがもっている菌です。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンによって発育する歯周病菌です。女性ホルモンの分泌が活発な思春期や妊娠時には爆発的に増殖することがあります。歯を支える骨(歯槽骨)を溶かす毒素(内毒素)をもちます。P.g.菌、T.f.菌、Td.菌は歯周病が進行している人々のほぼ60~70%から発見される菌です。これらはよく同時に見つかることが多いです。
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2011年08月18日 木曜日
スケーリング
スケーリングとは、歯についた歯石を除去すること です。
歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。歯石自体は直接、歯周病の原因にはなりませんが、歯石は凸凹しているのでそこにプラークが付着しやすいのです。早めに除去しなければ、歯周病菌が増殖してしまい、歯周病の症状が進行してしまいます。
スケーリングを行い、歯磨きで取り除けなかったプラークやブラシで落とせない歯石を取り、ルートプレーニングという操作で根面を滑沢にして再びプラークや歯石が付かないようにします。
一般に、歯肉の上に見える歯肉縁上歯石は比較的楽に落とせますが、歯肉の中に隠れた歯肉縁下歯石は除去するのには熟練を要します。固くてなかなか落とせない歯肉縁下歯石は、深いポケットになると除去がますます困難になります。早めにスケーリングを行い、歯周病予防をすることが大切です。歯石を取るための道具は、スケーラーと呼ばれ、ハンド(手用)スケーラー、超音波スケーラー、エアースケーラーなどがあります。
1) ハンドスケーラーは、ユニバーサルキュレット、仕上げ用のグレーシーキュレットが良く使われます。2) 超音波スケーラーは、先端のチップの形状により、縁上用、縁下用、根分岐部用、メインテナンス用などの種類があります。
3) エアースケーラーは、超音波に比べ力がソフトです。各種ブラシを取り付け歯間部のプラーク除去にも使えます。
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