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    2016年09月12日 月曜日

    矯正治療と歯周病

    歯並びを整えるために矯正歯科治療を受けたい、あるいは受けている方が
    注意していただきたいのは歯周病です。
    通常のマルチブラケット装置は歯磨きがやりにくく汚れもたまり易いので
    丁寧に磨く必要があります。
    最近では、インビザラインを体表とするマウスピース型矯正が登場しています。
    歯磨きの時は取り外すので、普通に歯磨きできると油断してないですか。
    矯正治療で注意すること
    1. 装置の間のプラークを丁寧に除去する。
    当たり前のことですが、虫歯や歯周病のリスクを少なくするために
    これまで以上に念入りに磨きます。
    ポイントは歯科衛生士に指導を受け、それを確実に実践することです。
    2. 骨の再生に配慮する。
    歯の移動は、歯槽骨の吸収と添加によって起こるので
    歯が移動した後の添加の時に歯周病が邪魔して骨が上手くできません。
    歯茎が出たり、歯が動揺してきます。これはどのタイプの矯正装置でも起こってきます。
    3. 無理な高望みはしない。
    どうしても綺麗になりたいと骨格的なアンバランスを無視して歯の移動だけを行うと
    アゴの中心から外れた位置まで歯の移動が強いられます。
    当然歯茎の安定が悪く、歯槽骨から外れているので歯根露出、歯周病のリスクも
    高くなってしまいます。
    歯科医院でよく相談して歯周病対策をしましょう。

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    2016年09月05日 月曜日

    歯周炎になり骨が溶けるプロセス

    歯周炎になると、上皮付着と呼ばれる歯の周りの組織が破壊されて、
    歯周ポケットができます。
    そのポケットに生息する歯周病原因性菌が増殖して炎症が進行します。
    骨のリモデリングとは
    骨は体の支持組織として、荷重を支え、カルシウムの貯蔵庫としての働きを持っています。
    これらの役割を果たすために、骨組織は生涯を通じて吸収と形成を繰り返します。
    この現象を「骨のりモデリング」といいます。
    歯の周りの歯槽骨が吸収するプロセス
    1. 歯周ポケットで歯周病原性菌が増殖します。
    2. 菌からリポ多糖など菌体成分が放出されます。
    3. それにより歯周組織に炎症が誘発されます。
    4. またその菌体成分は、破骨細胞の分化を誘導します。
    5. 破骨細胞が活発化することにより歯槽骨の吸収が起こります。
    歯周病による歯槽骨の吸収
    歯周病による歯槽骨の吸収は、リモデリングによる形成が
    損なわれた結果です。

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    2016年08月29日 月曜日

    歯茎が下がってきた

    「歯茎が下がり、歯が長くなってしまった。」という悩みを
    持つ方が大勢いらっしゃいます。
    では、どうしてこうなってしまったのでしょうか。
    ここ1~2年くらいだんだん目立ってきた。
    いや、もう少し前から?
    原因は1つとは限りません。
    考えられる原因とは
    1. 歯周病で歯の周りの組織が失われた。
    ブラーの付着が多く、歯周ポケットが深いために歯茎の炎症が深部まで進み、
    その結果歯槽骨や歯茎の量が減り歯茎が下がってしまうパターンです。
    2. 不適切なブラッシング
    プラークの付着はほとんどないが、力を入れすぎたり、ブラシを動かす方向が悪かったり、
    磨き過ぎてしまったりで歯茎を下げてしまうパターンです。
    3. 歯の位置異常
    歯列の外側に歯が飛び出ている場合には、歯茎の外側の組織が少なく歯茎が痩せやすくなります。
    4. もともと歯根の外則の歯周組織の量が少ない
    日本人によくみられるのがこのパターンで、
    解剖学的に歯の周りの骨と歯肉が薄い場合です。
    付着歯肉と言われる歯の周りの硬い歯肉組織の幅が少ないと歯肉退縮しやすいです。
    5. 矯正治療時の管理不十分
    歯の移動は、骨の吸収と添加の繰り返しによって起こります。
    特に、成人矯正の場合、プラークによる炎症があると骨の添加が十分に行われなくなり、
    結果として歯茎が下がります。

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    2016年08月22日 月曜日

    歯肉縁下の歯石とは

    歯肉縁下とは、歯と歯肉の間に入り込んでいる歯石のことで、
    表からは歯肉に隠れて見えません。
    歯石の色
    歯肉縁下歯石は、茶褐色から黒褐色の比較的歯の色とは対照的な
    目立つ色をしています。
    歯石はプラークが石灰化したもので血液や歯周病原菌の色を反映しています。
    そのため、表からその色が透けて見えた場合は、歯肉縁下歯石の存在が疑われます。
    硬さと接着度
    歯に密着して硬く容易に取り除くことが出来ないほどです。
    スケーラーがその辺縁にフィットすれば、塊で取れてくることもあります。
    しかし、歯肉縁下は、なかなか器具の挿入角度が合わせにくく、目視をするのが難しい場所です。
    その除去には熟練と根性が必要になります。
    見逃しを防ぐためには時間をかけてじっくりと取り除くことになります。
    どのような悪さをするか
    歯石は、そこにプラークがたまり易い環境を作る。
    プラーク中の歯周病原菌が毒素や有害な伝達物質を出す。
    免疫反応に狂いが生じる。
    そのため、歯肉に炎症が起き、歯肉内部に出血を起こす。
    血液が好きな歯周病原菌が増え、空気を好まない歯周病原菌がどんどん増える。
    といった悪い連鎖が起き、歯周病が進行していきます。

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    2016年08月15日 月曜日

    歯周再生治療を成功に導くためには

    歯周再生療法は、薬をつければそこに歯周組織が再生するとは限りません。
    成功するには、適応症、様々な条件があります。
    適応症は、
    垂直性骨欠損を伴う歯周ポケット、1~2度の根分岐部病変です。
    歯の周りに歯肉のみしか残っていない場合は、歯肉に切開を入れた時点で歯が脱落してしまうので適応外です。
    歯根の1/3~1/4程度の骨が最低でも残っていないと手術できません。
    様々な条件とは、
    1. 手術前には、歯肉の炎症が改善されている事
    歯肉に発赤、腫脹がなく、歯周基本治療が徹底的に行われている必要があります。
    もし、炎症が残っていると、歯周病原因菌も残っている可能性があります。
    代表的な菌のジンジバリスは、手術の傷の治癒を阻害して閉鎖を障害すると言われています。
    プラークコントロールが出来ていることが大切です。
    2. 根面処置の徹底
    歯根面に歯石が残ってない、
    根表面に侵入している歯周病菌の内毒素などの有害物質が取り除かれている事です。
    歯根面のスケーリング・ルートプレーニングが徹底され、酸により根面処理されて
    表面がきれいな状態になっている事が必要です。
    3. 肉芽組織の除去
    垂直性骨欠損部などに残る不良肉芽と呼ばれる病的組織は、
    再生を阻害するので、徹底的に取り除く必要があります。
    そして、骨のきれいな面が露出されれば、歯根膜由来の細胞が増殖しやすくなり、
    再生が可能です。
    4. 再生の足場があること
    歯根と骨との距離が離れすぎていると接着が望めなくなります。
    1壁性、2壁性などの骨欠損では、人工骨の補填などにより
    細胞が伸びてくる足場を作る必要があります。
    5. 上皮の侵入を防ぐ
    骨や歯根膜が再生する場所に上皮が侵入してくるのを防ぎます。
    通常、上皮の方が早く伸びてくるので、メンブレン、薬剤などを利用します。
    6. 緊密な縫合
    歯周組織の治癒が適切に行われるには、汚染、外的刺激を防ぐ必要があります。
    緊密な縫合により組織の治癒を助けます。

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