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2015年02月16日 月曜日
侵襲性歯周炎の特徴
侵襲性歯周炎は、1999年に米国歯周病学会が中心となって発表した分類で、
全身的な健康なものに歯周組織破壊が急速に進行する歯周炎です。
aggressive periodontitisを日本語に翻訳したものです。
内容的には、「急性破壊性歯周炎」と呼ぶような疾患です。
1. 侵襲性歯周炎の特徴(全例に見られる特徴)
1) 歯周組織破壊が急速に進行する。
(アタッチメントロスと歯槽骨吸収)
2) 全身的には健康である。
(歯周炎のリスクファクターとなる全身疾患はない。)
2. その他の特徴(すべての症例に認められるわけではない)
1) 家族に類似した重度の歯周秒がみられる。
2) 10~30歳で発症することが多い。
3) 病状進行に対してプラークの付着量が少ない。
4) A.actinomycetemcomitans, P.gingivalisの存在比率が多い。
5) 生体防御機能、免疫応答に異常が認められる。(好中球、マクロファージなど) -
2015年02月09日 月曜日
プラーク抑制薬
種々の薬剤が研究されてきたが、プラークコントロールの効果が高く副作用がなく、
長期間毎日使用して安全と考えられている薬剤は、まだ開発されていません。
毎日の歯磨きによる刷掃でプラークコントロールすることが主流と考えられています。
効果がある薬剤
0.2%クロルヘキシジンは、プラーク抑制効果が他の薬剤よりも高いことが認められています。
しかし、プラーク抑制のメカニズムが明確でなく、長期間使用すると味覚障害、
舌や歯の着色、黒毛舌などの副作用が出現する可能性があります。
日本では産婦人科で副作用(ショック)が報告されたため、0.2%のものは
粘膜(口腔も含む)への使用が禁止されています。
現在、0.001%のものが用いられていますが、
その分効果は低くなっています。 -
2015年02月02日 月曜日
歯根分割して歯周病の歯を保存
根分割療法とは、歯根を根分岐部で分割して治療する方法で、
分割した根(1~2根)を除去する「根切除術」と、
両方とも保存する「根分割保存法」があります。
1. 根切除術(ルートリセクションroot resection)
歯根を切除する治療法という意味で、多根歯の1根または2根を切断し除去して
根分岐部病変を完全に消滅させ、局所の清掃性を高めることを目的としています。
a. 根切断術root amputation(歯根切除)
歯冠部は切断せず病変の重度な歯根のみを分岐部で切断し、除去する治療法です。
適応症は、多根歯の1根のみに高度な骨吸収があり、その歯根が
歯肉の炎症の改善や歯周ポケット除去の障害となっている。さらに
その根を除去した後、残存する歯根のみで咬合機能を十分に果たすことです。
b. 根分割切除術hemisectionとtrisection(根分割抜去)
根分岐部で歯根を歯冠と共に分割して病変の進んだ1根または2根を除去し、
根分岐部を消滅させ、残った歯根を長期保存しようとする治療法です。
適応症は、3度や2度の高度な根分岐部病変で、
特に一方の歯根の歯周組織破壊が進行して保存が難しい場合です。
2. 根分割保存術root separation(歯根分離)
根分岐部で歯冠と共に歯根を分割して、両方の歯根とも保存する治療法です。 -
2015年01月26日 月曜日
糖尿病の方の歯周炎
糖尿病は歯周炎の初発因子ではありませんが、
全身の重要な修飾因子(リスクファクター)です。
糖尿病が歯周病を進行させるメカニズムは解明されつつあります。
糖尿病によって生じる「末梢血管障害」、「免疫機能障害」などが
関与して修飾すると考えられています。
一般に糖尿病になると感染を起こしやすくなり、
特に糖尿病の治療が十分でなく病気が進行している時期(活性期)には
その傾向が強くなり、歯周炎の修飾因子として大きな役割をします。
例えば、歯周膿瘍が生じやすくなります。
一方、糖尿病がコントロールされている場合や軽度の糖尿病の場合には、
歯周病の発症、病変の進行などに対して大きな影響はありません。
すなわち、糖尿病のコントロールが悪い場合、プラークコントロールが悪い場合に
糖尿病は歯周炎の重要なリスクファクターとして働きます。 -
2015年01月19日 月曜日
安静位と安静空隙 歯周病 名古屋 コンドウ歯科
安静位とは
座位または立位で頭を垂直にして、肉体的、精神的にくつろぎ、
安静にした鬨の下顎の位置のことです。
安静空隙
安静位から咬頭嵌合位までの距離を安静空隙と言います。
通常切歯で測定しており、
平均1.7mm前後ですが、個人差が大きいと言われます。
ブラキシズムの患者の中には、筋が常に緊張して安静位が不安定であったり、
安静空隙がほとんど存在しない場合もあります。
歯に磨耗が見られて咬合が低くなっている場合には、
安静空隙が非常に大きくなっていることもあります。
顎位を観察する一つの目安となります。
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