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2013年04月29日 月曜日
歯周ポケットをなくす掻爬術
歯周病治療の一つの「歯周ポケット掻爬術」についてご説明します。
歯周ポケットとは、歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)が歯周病で病的に深くなったもです。ポケット状に深くなった内部は、ブラッシングによる清掃も困難ななため、プラークが増加して細菌が多くなります。
そのような歯肉ポケット内部では、炎症が起こっていて、歯根膜線維、周囲の歯槽骨が侵されます。歯根のセメント質には、歯肉縁下歯石がたまり、さらに細菌性プラークが増加します。
歯周ポケット内部の細菌
歯周ポケット内部は酸素が少ないので嫌気的条件となり、為害性の強いグラム陰性の嫌気性桿菌が増加しやすくなります。
歯周ポケット掻爬術(キュレッタージ curettage)とは
歯周ポケット内部の歯根面をスケーリング・ルートプレーニングSRPするとともに、ポケットに面する歯肉の炎症部分(上皮と炎症が強い結合組織)を掻爬して取り除きます。
歯周ポケットを形成する歯肉を根面に再び付着させて、ポケットを浅くすることを目的にします。軽度な歯周病ならかなりの効果が望めます。
また中等度から重度の歯周病の場合、、歯周外科手術の前にポケットを形成する歯肉の炎症をできるだけ取り除く目的で行う場合もあります。 -
2013年04月22日 月曜日
ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシとは、One 一つの Tuft 毛束のブラシのことです。
コンパクトで一つにまとまった毛束にすることにより、叢生部(歯並びがデコボコしている部分)、萌出が完了していない歯、挺出歯、孤立歯などを効果的に磨くことができます。
特徴
前歯の裏側や奥歯の間でもピンポイントでブラシが当たります。
歯頸部、歯間部はもちろん、最後臼歯遠心、叢生などの3列ブラシでは磨ききれない部位でも簡単にプラークを落とせます。
通常のハブラシでは磨きづらいところも、狙った部位にピタッと当たるから時間をかけずにきちんと磨けます。
また、歯列矯正装置の周辺を清掃するのにも適しています。
毛が軟かく長いタイプでは、歯周ポケット、インプラント、ブリッジのポンティック下部などに使います。
欠点としては、一歯単位に丁寧に磨く必要があることです。
使用方法
柄は、ペングリップで持ちます。通常のブラシで磨いた後に、仕上げ用にワンタフトブラシを用いるとよいでしょう。
歯肉溝(歯と歯茎の間)、歯肉辺縁部の根面に毛の先端を当て当てて、軽くこすりつけながら数回移動させます。
歯が複雑に入り組んでいる叢生部は、毛先がしっかり届くようにして磨きます。柄が当たり届かない場合は、ロング型のワンタフトブラシを用います。
歯肉に炎症が見られる方は、やわらかめのタイプを使用します。 -
2013年04月15日 月曜日
歯間ブラシの効果的な使用方法
歯間ブラシは、歯ブラシでは届かない歯の間を清掃するのにすぐれています。
特徴
デンタルフロスでは清掃できない根面の凹部の清掃が可能で、歯肉マッサージ効果もあり、歯の間の清掃効果が高いのです。
連結冠の歯間部、ブリッジのポンティック(歯根のない部分)の下、根分岐部病変部の清掃にも使います。
サイズの選択
歯間ブラシには、4S,SSS,SS,S,M,L,LLなどの様々なサイズがあります。歯と歯の間のすき間の広さや、ご自分のハグキの状態や使いたい部位に合ったサイズを選ぶことが重要です。歯間に入らない場合は、無理に挿入しようとしないでサイズを小さく落として、試してみましょう。
無理に押し込と歯の間が広がってしまいます。
かかりつけの歯科医や歯科衛生士に歯間ブラシのサイズを選んでもらうのがベストです。
使用方法
鏡を見ながら、歯肉を傷つけないように、ゆっくり挿入します。
歯間ブラシを前後に2~3回動かします。
奥歯では、あまり口を大きくあけず、歯間ブラシで頬の内側を押し出すようにしてブラシ部分を歯間部に挿入し、左右に2~3回動かします。
ただ間に通すのではなく、歯面に沿わせてプラークを掻き出すことが重要です。
歯間ブラシは流水でブラシ部をよく洗ってから次の部位に移ります。
使用は、1日1回、あるいは気になった都度行うとよいでしょう。
保管方法
歯ブラシと同じく、ブラシ部をきれいに洗った後、乾燥した状態で保管します。
ブラシ部の毛が少なくなったり、途中で折れ曲がったり、折れたら交換します。 -
2013年04月08日 月曜日
噛みあわせの異常が歯周病を悪化する
歯周病は、プラーク中の歯周病菌が初発因子として起因する病気です。その炎症で弱った歯周組織に、悪い噛みあわせのダメージが加わり、さらに悪化するのです。
噛みあわせの異常、悪い噛み合わせとは
1. 早期接触、咬頭干渉
歯周病で炎症を起こして、骨が溶けだすと支えがなくなるために歯が傾いてきます。すると歯の一か所だけ強く当たる部分が出来たり(早期接触)、側方に動かすたびに強く当たる部分(咬頭干渉)ができます。放置するとさらに骨が溶けて噛みあわせに異常をきたします。
2. 咬合面形態の不良、咬耗歯
歯が摩耗すると噛みあわせの接触面積が増えるため、横揺れに対して強い力が加わります。歯はこの横揺れに対して非常に弱いのです。
3. 歯ぎしり
過度な力が加わり適応能力を超えるので、歯周組織が耐えられなくなります。
4. 歯列不正、歯並びの悪さ
噛みあわせが均等に当たらないため、噛んで接触する部分だけに力がかかります。
5. 口呼吸
口呼吸により口唇の力が弱まり歯列不正を引き起こします。
6. 食片圧入
食べ物が歯の間に詰まる状態が続くと、どんどん歯の間を押し広げて噛み合わせまで乱れてきます。
異常状態が続くと・・・
高度な歯周病になり、正常な噛みあわせ力でも、歯周組織が耐えられなくなります。 -
2013年03月25日 月曜日
歯周病治療の基本的考え方
歯周病のほとんどは、本質的に炎症性疾患(歯肉炎と歯周炎)です。
そこで、局所の炎症性病変を治療する基本は、局所に炎症を引き起こす刺激物である原因を取り除き、修復を促すことです。
第一に原因除去療法を行い、次に歯周組織の修復過程を促して破壊された歯周組織をできるだけ修復することです。
1. 原因除去療法
・ 歯周病の最も重要な原因(初発因子)であるプラーク(歯垢)を取り除きます。歯肉縁上(毎日のブラッシング)、歯肉縁下(歯科医院で行う)のプラークを協力して除去します。
・ プラーク増加因子(炎症性の修復因子)を除去改善します。不適合冠や詰め物、虫歯の穴などには、プラークがたまり易いのでそれらを治します。
・ 歯周組織に咬合性外傷を引き起こし、歯周炎を増悪させる外傷性咬合を除去します。
・ 対症療法では、プラーク除去などの原因を取り除くことはできません。鎮痛剤、抗生物質などでは一次的効果のみです。また、歯肉を切開し膿を出しても根本的な解決にはなりません。
2. 全身性因子
全身性因子は、初発因子ではなく修飾因子です。
糖尿病や血液疾患などに罹っていると、プラークにより炎症を強く生じやすくなります。すなわち、局所因子の除去を行った上で、全身性因子の改善を図ります。
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