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2014年01月27日 月曜日
垂直歯根破折の原因
垂直歯根破折が起こると、歯周組織にまで影響が及び歯牙が保存できなくなる場合も多く見受けられます。
原因とリスクファクター
1. 強い外力
歯に強い外傷性咬合が加わり応力が一部に集中して破折をきたすことがあります。
さらに1回の強い衝撃ではなく強い咬合力が日常的に何度も加わることによって小さな亀裂が入り、その亀裂が次第に大きくなって完全な破折に至ることが多いと考えられています。ブラキシズムや強い咀嚼力がリスクファクターとなり、特に残存歯が少なく強い力が働くと、ブリッジの支台などでは危険度が高まります。
2. 歯質の弾性の減少
垂直破折は中高年に多く、生活歯に比べ失活歯に多くみられます。増齢や歯髄の失活により象牙質の弾性が減少します。さらに失活歯では、抜髄や根管拡大により残存歯質量が減少することもリスクファクターになります。
3. 内側性の歯冠修復物やポスト支台など修復物の構造と接着不良
インレーやポスト支台は、咬合力加わると「くさび」として噛む力が加わる可能性があります。特に接着力が不良だとその傾向が強くなります。 -
2014年01月20日 月曜日
スケーリング・ルートプレーニングの手順
歯周基本治療では、プラークコントロールの徹底とスケーリング・ルートプレーニングなどの処置が行われます。
そして、歯周病の原因となるプラーク(歯周病菌が中に入っている)を抑え込むのです。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)とは
スケーリングscalingは、歯面から歯石やプラークなどの付着物を取り除くことです。
ルートプレーニングroot planingは、プラーク細菌により汚染された表層のセメント質や象牙質を除去し、硬く滑沢な歯面を露出させる処置です。
歯肉縁下スケーリング・ルートプレーニングの手順
1. 歯肉や口腔内清掃状況をチェックする。
2. 歯周ポケットの深さを確認する。
3. 状況に応じて局所麻酔をする。
4. 超音波スケーラー、エアスケーラーで歯石取りをする。
5. キュレットを用いてスケーリング・ルートプレーニングを行う。
6. ポケット内の洗浄
7. 術後の注意事項の説明 -
2014年01月13日 月曜日
超音波スケーラーで歯石取り
超音波スケーラーの仕組み
超音波の振動で歯石を粉砕して除去する装置です。
超音波発生機、ハンドピース、インサートチップ、フットスイッチから構成されています。
メカニズムは、超音波発生機で発生させた超音波の出力電流をハンドピースの中で機械的振動に変え、インサートチップが毎秒25,000~30,000サイクルの微振動(振幅1/40mm以下)をする仕組みです。
この振動により熱が生じるため、注水を行ってハンドピースとチップを冷却します。
冷却水はチップ先端で霧状に噴出され、手術野を洗浄します。
歯石除去の仕組みは、振動するチップが歯石に接触し、チップの振動が伝わって歯石が粉砕される機械的な作用であると考えられています。
メリット
1. 使い方が簡単で短時間で能率的に歯石除去を行えます。
2. 冷却用の噴霧注水により、手術野の血液や除去した歯石片を洗浄しながら処置できます。
3. 歯面に軽く当てればよいので、動揺歯でもスケーリングできます。
デメリット
1. ポケット内の根面の細かな変化を感知できないため、微小な歯石の除去が困難である。従って、手用スケーラーで仕上げを行う必要があります。
2. この装置でルートプレーニングを行うのは困難です。 -
2014年01月06日 月曜日
毛先を使う歯磨き
ブラッシングの方法は、大きく2つのタイプに分けられます。
「毛先を使う歯磨き」と「毛束の横腹を使う歯磨き」の方法があります。
前者は、毛先を使うために、プラークの除去効果が高く、
後者は、わき腹で歯肉をこすり、マッサージ効果が高いのが特徴です。
毛先を使う方法
昔から行われている「横磨き」「縦磨き」はこの代表です。
いわゆる「横磨き法」は、歯頚部の歯質の摩耗を引き起こし、楔状欠損を起こす危険性があるので適切とは言えません。
そこで、歯磨剤をつけずに、ストローク(歯ブラシを横に動かす距離)を小さくして危険性を少なくします。
「スクラビング法」と呼ばれており、水平、垂直に動かす方法があります。
水平スクラビング法
中程度~軟毛の歯ブラシを歯面に垂直に当て、前後の水平方向に小刻みに動かします。
垂直スクラビング法
毛先を歯面に直角に当て根尖側から歯冠側に、次にその逆方向へと垂直方向に動かします。 -
2013年12月31日 火曜日
急性歯肉膿瘍、急性歯周膿瘍
歯周病が原因で、急に歯肉がブクッと腫れて炎症を起こすものを「急性歯肉膿瘍」、「急性歯周膿瘍」または、「歯周炎の急性発作」と言います。
症状
歯肉が化膿し、赤くなって腫れて、腫れた部分を指で触るとブヨブヨ感があります。
痛みがあり、出血したり、膿(うみ)が出てくることもあります。
原因
慢性歯肉炎または辺縁性歯周炎になっており、ポケット内細菌がポケット上皮の損傷したところから侵入し、組織の防御機構を破って増殖して生じます。
そして、細菌感染によって化膿性の炎症を起こし、歯肉に発赤、腫脹、自発痛、圧痛を起こしてきます。
歯肉が腫れてきた部分は、膿瘍と言って炎症によって生じた白血球、リンパ球、マクロファージなどの細菌と戦った物質が膿となり、毛細血管や肉芽といったものが見られます。
発症しやすいのは
1. 深いポケット、特に骨縁下ポケットや根分岐部病変のある歯へ咬合性外傷が加わったり、ポケット内へ食べ物や異物が入り込んだ場合
2. 風邪や糖尿病などによって生体の防御機構が低下した場合
3. 歯根が破折している場合
治療
1. 抗菌薬を投与をする。「経口投与」と「歯周ポケット内投与」があります。
2. 膿瘍を切開して膿を出す。
急性炎症が治まったら、歯周基本治療のスケーリング・ルートプレーニングやプラークコントロールをはじめとする一連の治療を行います。
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