マイクロスコープによる

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    2015年05月11日 月曜日

    ストレスと歯周病

    1936年Selye が非特異的症候群(副腎肥大、リンパ腺萎縮、胃・十二指腸潰瘍など)を
    引き起こす外部刺激を「ストレッサー」、それによって生じる生体反応を
    「ストレス」と定義して広く用いられるようになりました。
    ストレスが歯周病のリスクファクターとなる原因
    1. ブラキシズムが増加し咬合性外傷が生じ、歯周病が進行・悪化する。
    2. 脳下垂体から副腎皮質ホルモンが分泌され、免疫力が低下する。
    3. 自律神経に働き、交感神経の亢進による血液循環の悪化や唾液量の減少が生じる。
    4. 糖尿病など歯周病を悪化させる全身疾患が悪化し、歯周病も悪化する。
    一方、歯周病は、その症状(歯肉の腫れ、疼痛、出血、口腔内の不快感、
    歯の動揺、咀嚼障害など)によりストレスの原因となります。

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    2015年05月06日 水曜日

    プロービングとポケットデプス

    歯周ポケットの深さは、歯周病の診断において重要な役割があります。
    しかし、炎症の存在によりこの数値の測定にバラつきが出てくることも事実です。
    歯肉に炎症が強い場合、特に急性炎症時には、実際のポケット底部より
    数mmも深く測定される傾向があります。

    ポケットを測定するためにプローブをポケット内に挿入すると、
    通常プローブはポケット底部に止まらずに、ポケットを形成する上皮を貫き
    結合組織中に達していることが多く見受けられます。
    特に、歯肉に炎症があるとこの傾向が強く現れます。
    すなわちポケットに面する上皮やその下の結合組織に炎症があると、
    上皮細胞の細胞間結合が弱く(時には潰瘍状態で上皮が断裂している)、
    プローブは上皮を貫きます。
    さらに結合組織も炎症性細胞(リンパ球やプラズマ細胞)が増加し歯肉線維が減少していると、
    プローブはさらに結合組織に深く入ってしまいます。
    しかし、炎症が軽い場合には、その深さは0.3mm程度の誤差であります。

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    2015年04月27日 月曜日

    歯髄疾患が歯周組織へ及ぼす影響

    歯髄疾患や感染根管は、根尖孔、側枝、副根管、髄管を通して歯周組織に影響を与えます。
    歯髄内の炎症性炎症性刺激物(内毒素など)や細菌が根尖孔や複根管を通って歯周組織に達し、
    「根尖性歯周炎」を起こすことはよく知られています。
    根尖性歯周炎により根尖部に歯周膿瘍が形成されると、
    瘻孔(排膿路)は通常根尖相当部付近の歯肉や粘膜に形成されます。
    しかし、症例によっては、排膿路が根面に沿って歯根膜の中を通って形成され、
    歯肉溝や既に存在していた歯周ポケットに連絡することもあります。

    臨床的には、この歯髄疾患由来の排膿路は、深い歯周ポケットと類似した状態を示し、
    骨吸収を伴ったりして辺縁性歯周炎と類似します。
    このような場合ポケットをプロービングすると根尖まで達するが、歯根面が
    歯肉縁下プラークで汚染されている真の歯周ポケットとは異なります。
    すなわち、その部の歯根面には、プラークの付着はなく、ほとんど汚染されていません。

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    2015年04月21日 火曜日

    垂直性歯根破折による歯周組織破壊

    垂直性歯根破折は、根尖性歯周炎に似た症状を示し、
    歯周組織が破壊される。
    垂直歯根破折の分類
    1. 亀裂(初期)
    破折しているがマイクロスコープの観察でも間隙は見られず、
    破折線は白色または黒色の線として見られるのみである。
    2. 不完全破折(中期)
    歯根の一部のみに破折が生じている状態で、歯根は一体を維持している。
    破折線は離開しておらず、亀裂となっている場合が多い。
    3. 不完全破折(進行期)
    破折線が歯頚部から根尖あるいはその近傍を通って反対側の歯頚部まで連続している状態である。
    破折線は亀裂となっている場合から、間隙が開いて歯根が2片に分離している状態まで様々である。
    原因とリスクファクター
    1. 強い外力
    歯に強い外傷性咬合が加わった場合。
    2. 歯質の弾性の減少
    垂直破折は中高年者に多く、生活歯に比べ失活歯に多いことから考えられる。
    3. 修復物との関係
    修復物を介して楔の力として加わる場合がある。

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    2015年04月13日 月曜日

    歯周外科治療後にはメインテナンスが大事

    歯周外科治療後の成績は、術後の管理の良否が大きく影響します。
    特に、プラークコントロールの徹底と、咬合性外傷の除去が大切です。
    術前の基本治療の徹底
    まず、歯周病の原因除去料である歯周基本治療を最初のステップで
    徹底的に行う必要があります。
    安易に歯周外科手術に移行すると、プラーク中の歯周病原因菌が邪魔をして
    傷口の閉鎖を妨げ内部の組織の治癒も邪魔します。
    手術直後のケア
    縫合や歯周パックを付けた部位は、ご自分でのブラッシングは避け
    術者による清掃をします。ただし術部以外のブラッシングは丁寧に行います。
    歯牙の動揺が強ければ負担がかからないように、咬合調整を行います。
    抜糸後は柔らいブラシから清掃をはじめます。
    術後の長期メインテナンス
    手術により歯周の状態に合わせてブラッシング方法を変えていきます。
    歯科医師や歯科衛生士などによる指導をしっかりお聞きください。
    再び歯周の状態を悪化させないために、長期に渡りメインテナンスを行っていきます。

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